諸事情により、更新が遅れがちでしたが、再開します。
ただこれだけではつまらないので、少々ブログの本題から離れますが、
最近感じたことから一話。
私のアルバイト先には数人、いわゆる知的障害者の方がいらっしゃいます。
いずれも地味ではありますが、仕事を一生懸命やっています。
ただどうしても
普通の人の2倍、私たちベテランバイトの3倍、パートさんの4倍
近くかかってしまうのが現実です。
ただ、ひたむきに努力している姿には打たれるものがあります。
私たちが彼らに接する姿勢は様々。
厳しく叱るひと、私のように甘いひと、無関心・かかわらない人。
私は性格上、あまり厳しいことを言えないのですが、
最近、厳しく叱る人の真剣さに感ずるものがあります。
ただし、その厳しさには2パターンあって、
いじめに近い叱り方をする人もいるので一様には言えませんが。
たとえばハサミの使い方。
私たちの職場では食品を扱うため、製品に混入しないよう、
ハサミの管理は厳重で各作業者が自らの責任で管理します。
障害者の方でも自らの管理に任せられる人もいますが、
私の同僚の場合、置き場所が一定しなかったり、
人のハサミを持ち出して使用したりと危ないことも多々あります。
そのため通常、ラインに入るときは共同作業者がハサミを管理しながら
ハサミを共同で使用します。私の時にも同様です。
私の場合、
1.借りるときに一言かけること
2.ハサミを人に渡す時は刃を持って渡すこと
3.使用したら元の場所に戻すこと
4.ここにあるハサミを使用すること
を確認し、それに反した時には何度でも説明をするようにし、
異変がないか常に注意をして作業をします。
これはまだ当人が出来ないことを私が補完するために行っています。
どうやら他の人は放任でやらせたり常に起こったりしているようですが、
一人とても厳しいながらも本当に彼のことを思っているのだな、と感じさせる
やり方をする人がいます。
ハサミの管理も、自らが作る製品も決め、すべてを自分ひとりでやらせます。
ハサミを紛失したり、欠けたりしたら厳しく叱り、
自らの担当した製品を一つ一つ時間が過ぎてでも見つかるまでチェックさせます。
つまり、自らのミスを他の人が面倒見たり、尻拭いをするのではなく、
すべてを自分の力でやらせています。
ほかにも掃除の時など様々なケースがありますが、ハサミのケースを挙げました。
発達段階というものがあるので、一概にどちらがいいのか言えませんが、
たとえ障害があるとはいえ、自分ひとりの力で生き抜く力を身につけなければ
なりません。
仕事をして自分の力で稼ぎ、生活することができなければ周囲の家族も不安は残りますし、それをできることが理想です。
現在の日本では障害者の働き口、給与などに問題を抱えているそうです。
先日亡くなられた、小倉昌男氏は月給1万円に満たないといわれる、
障害者の仕事の現実を知り、自立を支援する
ヤマト福祉財団を立ち上げたそうです。
本当に障害者のことを考えているのは、私たちの例で言えば厳しいながらも、
自らの責任でやらせていた同僚なのかも知れません。
私の今まで接してきた方法は誤りとは言えないけれど、
本当に自立を願っての接し方だったのか考えてしまいました。
心の奥底のどこかで障害者の人が、「できないから仕方ない」という
無関心の人たちに近い感覚を持っていたのではないかと反省してしまいます。
今思えば、私がアルバイトに入りたての頃、一緒に仕事をしていた障害者の人は
教える部下(私)の教育を任されて、生き生きと仕事を教えてくれたことを思い出します。
ただひたすらに製品をパレットに積む作業でしたが、本当に楽しそうにやっていました。その後半年ほどして、
その彼は「今度就職するんだ、毎日なって疲れるんだけどな!」
と私に話してくれたことも思い出しました。
何が良いのか悪いのか、ただ障害者の自立を願ってやまないことは確か。
これから卒業して退社するまで半年、行く機会も減りましたが、
考えてみたいことです。