発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

3179.~気づきを取り込む~

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「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 ・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・

 ~今日のElephasブログ:「講師の思い込み?」(6月17日)~

おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。

「今日は河童を描くんですよね」。K君が笑顔で教室に入ってきました。

河童の絵。歌に合わせて河童の全身を描いていきます。細かい線が多く、集中力が必要です。紙のサイズを考えると、たとえば河童の頭は、親指と人差し指でつくる輪くらいの大きさにしなければいけません。さらにそのなかに、目やくちばし、お皿や髪の毛を細かく描いていくのです。

さて、K君はよく、急いでいます。「次」のことが気になってしまうのです。「次のプリントは、宿題は、来週は、来月は…」。漢字を書いている際も、画数の終わりの方、右下の線が乱れることがあります。次に書く漢字に気を取られているようです。そのため、一画・二画と声かけをしながら、ゆっくりと話し、時にはふたりで深呼吸をして授業を進めています。

そう、河童に戻ります。急ぎがちなK君にとって、細かい線の多い河童の絵は大きな挑戦です。

歌がはじまりました。K君が顔の輪郭を描きました。ときおり歌を止めながら、三角形のくちばしやバサバサの髪の毛を描いていきます。両手両足の指も、水かきに意識をくばりながら描いていきます。不思議です。K君の描く線が乱れません。部分も全体も、バランスよくしっかりと描いています。

「河童の絵は大きな挑戦、細かい絵は難しい」、というのは講師の思い込みだったようです。短い線の連続は、K君の集中力・リズムに適した題材だったのかもしれません。そしてK君の絵を見ながら、画数の多い漢字は難しい、と思い込んでいたことにも気づきました。

次の授業の課題が決まりました。

発達支援教室Elephas(エレファース)

 

◇ワンポイント・メッセージ◇

講師は、K君の特性をよく捉えていますね。その上でそれを配慮した対応で授業を進めているようです。そんな講師にも「思い込み?」と思われるようなことがあるのですね。K君はなぜ、気持ちを慌てさせることなく、「河童」の絵に集中できたのでしょう。

・教室に来るなり「今日は河童を描くんですよね」と初めから楽しみしていたから…

・「河童」の描画は細かいとは云え、漢字ほど細かくはないから…

・教科ではないので、リラックスして取り組めたから…

いろいろ考えられますが、そもそもなぜ「河童」を描くことになっていたのでしょう、この辺にもヒントがありそうですね。

いずれにしても、講師がK君の新たな面を認識できたことはとても大きな成果です。「次の授業の課題が決まりました」と講師は記していますが、気づきを取り入れて新しいスタートができそうですね。

 

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