発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

89.年賀状を出しましょう(5)

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

89.年賀状を出しましょう(5)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
  造形リトミック教育研究所  

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。
 
 年賀状のお話、
(1)年賀状を出す人を決める。
(2)郵便局:順番を待つ。
(3)年賀状作り:できる形で。
(4)書き損じはがきの交換:行動を広げる。
 ・・・と進めてきました。そして今日は、(5)年賀状の分類です。

 自分の年賀状は早々に用意し終えて、次はご家族の年賀状作りを手伝っている生徒さんもいます。りっぱなものです。その話を聞いて、直接生徒さんに向かって「それは、りっぱね」とほめたところ、「りっぱって言わないでください。ライオンじゃないから・・・」とのこと。

 その反応にはちょっと首をひねりましたが、「ライオンのりっぱなたてがみ」という言い方から、「りっぱ」はライオン限定のほめ言葉だと心得てしまっていたのかもしれません。なにしろ、造形リトミックの教室では幼児期から、「たてがみバサバサ雄ライオン・・・」と歌いながら、くり返しライオンを描いては、「りっぱなたてがみだね~」と言ってきましたから。苦笑いです。

 さて、余談はおき、どんな経緯でご家族の年賀状のお手伝いをすることになったのかまだ伺っていませんが、家族の中で役に立てる場があるということは、とてもすばらしいことです。それは、心も技術も大いに成長させることでしょう。時には、意図してそんな場を設定することにも意味はあります。

 (1)~(4)のプロセスを経て年賀状が完成したら、ご家族の分も含めて出す地域別に分類しましょう。まずは、お住まいの○○市宛の年賀状を選びましょう。
次に、お住まいの○○県(都・道・府)のものを選びましょう。市名を見ただけでは、何県かわからないようでしたら、教えてあげなが分類しましょう。

 その時、2枚のA4の用紙を用意して、1枚にはお住まいの県名を大きく書きましょう。もう1枚には、「その他」と書きましょう。そして、県内宛の年賀状は県名の書いてある用紙の上に置いていきましょう。県外宛の年賀状は、「その他」と書いた用紙の上に置いていきましょう。「○○市は、△△県。だからここに置いて」「××市は、違う県。だから、その他のところに置いて」と言う具合に。時間の許す限り、教えてあげながら丁寧に1枚ずつ分類していきましょう。

 さらに余力があったら、10枚ずつにまとめて輪ゴムでとめましょう。そして、できた束を10、20、30、40・・・と10の束を数えてみましょう。100枚を超えるでしょうか? 全部集めて持ってみたら、何十枚というはがきの重さや厚みを実感することができるでしょう。これは、実質的で、必要性のある有意義な数です。

 小学校(小学部)や中学校(中学部)、いわゆる義務教育を終えたら、実質的な数の学習を中心に行っていくことが必要です。学習のしはじめで、ブロックやチップを数えること自体が新鮮でうれしい時期は実生活との関連はそれほど求めなくてもよいのですが、基礎学習を終えたら生活に密着した必要性のある数に触れさせることが肝要です。切実な数に触れることで、本当の数を体験していくことができます。

 年賀状を出すという行為一つにも、これまでお話してきましたように、いろいろな数が含まれているのです。年賀状を出す人数、はがきの枚数、予備はがきの枚数、その合計数、いくらかかるか(金額)、家族全員のはがきの枚数、住所も含めれば郵便番号や地番、電話番号・・・。

 年賀状に限らず、生活の折々の事柄に楽しみながら積極的に関わっていくと、さまざまな実質的な数に触れることができます。また、数以外にもろいろな新しい要素に出会えます。今回は、年賀状に的を絞ってお話を進めてきましたが、新しい年には、こんな視点から折あるごとに楽しい学習を考えていきたいと思います。


造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール info@zoukei-rythmique.jp

なかのひと
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