発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

298.言葉の背景

298.言葉の背景

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 今朝の教室ブログ、「ともだち」という言葉に表情を輝かせたSくんのお話です。たったひとつのこの言葉から、学校の仲良しの友達のことがぱぁーと広がってくるのでしょう。

・友達一人ひとりの顔が浮かんでくるのかもしれません。
・きのう遊んだことが思い出されるのかもしれません。
・○○くんの声や言葉が聞こえてくるのかもしれません。
・わいわいざわざわと友達どうしのやり取りがよみがえってくるのかもしれません。
・場所は靴箱のあたりかも、運動場かも、教室のコーナーかも、廊下かもしれません。

 こんな想像をしていると子ども達の息づかいや熱気が伝わっててくるようです。私自身の小学校時代のことも感覚的に思い返されてきます。学校独特のにおい、給食室の湯気、1階のコンクリート通路の感触、その場の空気や温度・・・。今日の教室ブログの講師も、「私の心もウキウキしてきます」と書いています。

 言葉によって子どもの心が動かされ、その子どもの表情によってこちらの心も動かされるのです。言葉には、それぞれ背景があります。言葉は経験を伴っている、と言ってもよいかもしれません。

 言葉が単に記号化してしまいがちな現代社会において、子どもと交わす言葉、教室での言葉には、それぞれ背景があり、言葉が思いや情景を孕んでいます。

 「電車」「南武線」「京王線」「間もなく・・・○番線に・・」「あひる」「アイスクリーム」「ホットケーキ」「おばあちゃんに電話」「昼食」「田舎」「○○くん」・・・・・。

 私が療育者駆け出しの頃の生徒さんから今の生徒さんまで、それぞれの言葉と共にその生徒さんがその言葉を発した時の、またその言葉を聞いたときの表情や仕草、言葉のイントネーションや語調までが思い出されます。

 やわらかな感性をもつ生徒さん達、こちらもやわらかさを保って言葉、対話を大いに楽しんでいきたいと思います。そんな中で、生徒さん方の言葉もいっそう豊かに育っていくことでしょう。

 

造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール info@zoukei-rythmique.jp

なかのひと
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