『天明飢餓の鎮魂』アマゾン電子書籍紹介
天明年間の飢餓は悲惨で過酷なものであった。
ここ信州地方の、この川上村にも決して無縁ではなかった。
天候不順に加え、浅間山大噴火が、田畑に灰が降って耕地を荒廃させた。
その年も日照り続きで、百姓は空を見上げては、ため息ばかりつく日々が続いた。
天候の不順に、幕府の田沼意次の失政で、追い打ちをかけるように被害を増大させた。
幕藩体制の確立ととともに新田開発、耕地灌漑を目指した事業が行われた。
しかし行き過ぎた開発は人手不足に招き、強引に治水した河川が耕作地に接近しすぎたために、洪水を頻繁に発生させ、米の生産を低下させた。
さらに田沼意次の重商主義政策が打ち出され「年貢増微策」転換され、稲作に行き過ぎた奨励、食の備蓄米の払い底し、江戸への廻米に向けるなど失政が重なった。
さらに貧困から抜け出すために江戸などの都会に向かって農民の流失に歯止めがきかず、均衡が取れなかった。
また田沼政治の金融政策の失政で米市場の機能しない状態が混乱に拍車をかけた。
農民の不満は生死をかけて、一揆が勃発し、打壊しを、もって対抗手段に出た。