最近では、日本の大学の図書館にも、あるようだ。
このキャレルとロッカーのおかげで、法律の重い教科書を持ち歩く必要がなかった。
コーネル大学のあったニューヨーク州のイサカは、アメリカとは、思えないくらい、安全な町だったのだが。
一回だけ、図書館のキャレルに置いていた、教科書を一冊、盗まれた。
大学に、被害届けを出したところ、よくある事だと教えられた。
犯人は、高校生だろうと言うことだった。
盗まれた教科書は、大学受験をひかえた高校生の「合格祈願のお守り」になったということらしい。
アメリカの熾烈な受験競争の一端を、垣間見たような気がした。
アメリカの大学受験は、日本のように、ペーパーテスト一回で決着、と言うシンプルなものではない。
SATかACTの全米標準テストに加え、高校での成績(GPA)や、学内外での活動実績や、推薦状。
自分を売り込むためのエッセイ。
さらに、親族の社会的ステータスや志望大学との関係性など。
とにかく、アピールしまくらないと、一流大学は難しい。
このあたりの、アメリカの大学受験事情は、ドラマ「ゴシップガール」を見ると、よく分かる。
しかも、アメリカの場合、学部卒のキャリアでは、いい就職先は、あまり無い。
社会的ステータスと高給を得たければ、大学院に進まなければならない。
だから、アメリカの大学生は、必死に勉強する。
さらに、大学院でも、就職に向けて、必死に勉強するのだから、アメリカのエリートの、18歳以降の勉強量は、日本とは比べものにならない。
しかも、残念なことに、最近の日本の18歳以降の勉強の中で、一番、重きが置かれているのは、おそらく英語。
いい大人が、英語なんて言う、勉強じゃないものに、恐ろしいほど時間をかけて、満足しているようでは、日本は、永遠に、アメリカには勝てない。
だって、アメリカのエリートは、外国語なんて勉強しないのだから。
日本に来て、日本語を話すアメリカ人が、落ちこぼれだとまでは、言わないけれど。