自民党総裁選の立候補会見で、小泉進次郎氏は、「労働市場改革の本丸である解雇規制を見直し、人員整理が認められにくい状況を変える」と表明。
これには違和感を感じた。
テレビをつけれは転職会社のCMだらけ、労働者の非正規雇用の割合は4割、しかも、その割合は年々増加していると言うのに、今さら解雇規制の見直し?
どこまで労働者を追い込むのかと悲しくなる。
他にも小泉氏は「総裁選後、直ちに解散する」と表明している。
自民党という一政治団体の中で勝手に総裁を決めたから、最早、国としての議論が尽くされたと言って、衆議院を解散すると言う小泉氏のロジック。
それは国民、国会軽視の永田町のロジックに他ならない。
それなのに、ご本人は分かっていないらしい。
せめて理由を付けるなら、自民党の勝手で首相を変えただけでは、新首相に対する国民からの信任が得られたとは言えないので、民意を問うために解散する、くらいのことは言って欲しい。
いずれにしても、リスキリングで労働市場を改革する前に、ご自分の政治家としてのリスキリングをしていただきたいくらいだ。
43歳の小泉氏が、総裁選にデビューできたのは、彼が世襲だからだと日本人なら誰でも分かっているというのに、若さや父親の自慢をするのは、政治家としていかがなものかと感じてしまう。
そうは言っても、小泉氏は、間違いなく今後数十年にわたって自民党を背負っていくことになるのだから、政治改革の本丸である、家業政治家の世襲議員が跋扈する今の政治を変えるために、国会議員の世襲規制を公約にして欲しい。
世襲議員のトップの小泉氏だからこそできる公約だろう。
ただ、今回の自民党総裁選の感想を正直に言うと、総裁候補の皆さんのレベルの高さに感心した。
そのせいで、小泉氏が見劣りしてしまうのかもしれない。
それにしても、東大、ハーバード院卒は、地頭が違う。
久しぶりに受験時代を思い出した。
そうは言っても、東大、ハーバード院卒など自民党のハイスペックの議員の方々も、東大卒のキャリア官僚の方々も、小泉進次郎首相の下僕として頑張っていくしかないというのがこの国の現実。
東大、キャリア官僚を経て、ようやく兵庫県知事になれたのに、権力闘争の挙句墓穴を掘った斎藤氏と、親の敷いたレールのおかげで権力闘争などどこ吹く風で首相になれる小泉氏。
二人をを見ていると、東大を出て実社会でキャリアを積んでも、家業政治家の世襲には歯が立たないことがよくわかる。
スタートラインからして違う上に、実社会のドロドロした競争とは無縁のファストトラックを走る世襲というキャリア議員。
日本の政治の世界では、地頭より地盤、その中でも最強の地盤を持つ世襲政治家が牛耳るという時代錯誤の流れは、益々加速していくのだろう。