郡上漁協(岐阜県郡上市)が長良川水系で行っているアユの友釣り漁業が、環境への配慮や環境負荷の低減に寄与していることを示す漁業の国際認証「マリン・エコラベル・ジャパンVer.2.0」を取得した。この認証の取得は全国で14番目、淡水漁業の取得は初めてとなる。【荒川基従】
鮎の稚魚を放流する郡上漁協の」組合員ら=岐阜県郡上市八幡町の
長良川水系支流・吉田川で2013年4月、同漁協提供
同漁協によると、琵琶湖産のアユの稚魚を川に放流すると、海に下った次の世代はその川へ戻ってこないことが知られている。このため同漁協は、長良川水系に上がってきたアユの卵から育てた稚魚を中心に放流しているほか、源流の森育成事業などを展開しており、川と海をつなぐアユの再生産性や生息環境保全などが高く評価された。
国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)が注目される中、同漁協は「この認証が将来的に、販路拡大につながるのではないか」と期待している。
同漁協では組合員約5300人のほか、外部から年間約7万人の釣り人が入漁。昨年は友釣りアユを約6300キロ出荷した。ブランドアユ「郡上鮎(あゆ)」は、2008年の清流めぐり利き鮎大会でグランプリを獲得するなど評価が高い。15年には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されている。 毎日新聞より