四七四三の悪魔 [九七八年のゲームだったわね。「五二枚扉ゲーム」。長寿集落に七m五〇㎝四方で二階建ての娯楽部屋がある。二階部ぶんは吹き抜けで窓側に細い通路があるだけ。一階部ぶんは小さい窓がある。出入り口は幅二mの引き戸。入り口に入って、すぐ左右に別な引き戸の軸受けがある。高さ一m八〇㎝で幅一mよ。左右に二五㎝ずつあけて幅五〇㎝の引き戸一枚が中央でとまってる。そういう引き戸が壁側に五〇㎝間隔で、並んでるわ。入り口が六枚と五枚。七m五〇㎝に一四枚ね。五三枚だから二六枚目が一m間隔。入り口から開始して二人で順番に「右を開けるわよ」「次は左」と声を出す。引き戸の上に、振り子式のベルが左右どちらかに設置されててはずれを引くと鳴る。ベルを鳴らしたら交替して先に二六枚開けた方が勝ち。中央の空間は囲碁と麻雀が定番で設置した人に、聞こえるように「これはどっちだったかな」とつぶやきながら窓の位置で推理して開ける]
五六四一の悪魔 銅鐸(たく)の遊び方よ。「平均滑車ゲーム」。矢倉の高さが七mで上に二m離れて、滑車が二つ。体重が五〇㎏ぐらいの人だと、長さ一〇mの、縄の片方に、重さ二〇㎏の銅鐸を二つつける。縄の反対側は腰に巻く命綱よ。まず命綱の縄を持ってはしごで矢倉に登る。矢倉の上で縄を滑車にとおして、命綱を装着してから縄につかまって下へ下りていく。滑車の下に、幅三〇㎝ぐらいの板が打ちつけてあって、一〇㎝間隔くらいで足場がある。地面から足場に片足をかけると縄が上昇。足場に体重をかけすぎると、一瞬宙づりになるぐらいの距離ね。浮力が大きいほどおもしろい]
四七四三の悪魔 [「回転扉鬼ごっこ」。まず板で五かける五のます目に区切った空間。一辺が二mで、高さが一m八〇㎝。板の中央に、左右五〇㎝ずつで二枚板の回転扉がある。回転扉は外側にもあるから、かずは全部で六〇。扉の、左右どちらかの、首の高さぐらいに、直径三〇㎝くらいの顔を突き出せる穴がある。遊ぶ人数は五人。ルールは、鬼以外が同じます目に入ってはいけない。鬼以外が外に出ることもだめで、タッチされると新しく鬼になってマイナス一点。鬼は他のプレイヤーが顔を、突き出してる扉をさわれない。鬼がいるます目に向かって「鬼さんこっちだ」と叫ぶ。鬼のます目を囲んで四人目が「後ろの正面誰だっ」と、叫ぶと鬼がマイナス四点。日が暮れるまで遊び続けて、マイナス点数が、少ない人が勝ち]
五六四一の悪魔 [また時計をやりましょう。直径一一㎜の鉄球が、傾斜が高さ一㎝ぶんで長さ一mのレールを転がる。所要時間三秒。ゆきどまりで折り返してレールが二列になってる。全部で二〇〇本あるわ。高さが二mで一〇分。最後のレールを、高さ二〇㎝の傾斜にして加速をつける。鉄球がレールの終点で、長さ二m二〇㎝の連結器に当たって、下の受け皿にたまる構造よ。一番上に鉄球が、一四四個並んだ二段組みのレールがあって、連結器の下に鉄球が当たった衝撃で一個送り連結器を動かす。準備してる鉄球は、先頭の一個以外は回転を打ち消し合うからわずかな衝撃で一個送り連結器が動く。と考えたけどぱちんこ機の入賞玉計数器は硬質プラスチックでできてて、連結器の長さもせいぜい二〇㎝ぐらい。だからこれは無理]
四七四三の悪魔 [重りを使った時計ね。高さが一mで直径一mの、丸いテーブルのふちに、幅一㎝の巻きとり器が二八八個並んでる。五分かける二八八で二四時間よ。回転軸に長さが一m弱で、先端に重りがついたひもを巻いて、連結器と滑車をとおして、とめ具をセット。とめ具は重りを乗せる台座で、シーソーみたいな形で反対側にとなりの、巻きとり器の連結器に連動したとめ具がついてる。重りの、反対側のひもは先端が太いピンになってて、巻きとり器の軸にはまった状態。ひもが伸びきると、ピンがはずれて滑車そばの、連結器の穴にひっかかって、となりの、巻きとり器のとめ具がはずれる。形や材質はいろいろでひもを巻きとるのに一時間ぐらいかかるから、特別なゲームをやるときの準備よ]
五六四一の悪魔 [五分の負荷がまだだけど」
四七四三の悪魔 [ひもの長さを九〇㎝にして、三㎝を一〇秒。回転軸の、片方の外側はぎざぎざがついた歯車。テーブルの内側にもうひとつ同じぎざぎざがついた歯車をかみ合わせる。こっちは加速がつかないように、軸に小さい重りがぶら下がってるわ。両方の軸受けをテーブルにしっかり固定して、五分に調整。調整するときは高さ一mの「レール一〇〇本時計」を使う]
五六四一の悪魔 [「回転玉乗り」ね。直径一mの、木の玉を二つにわって、なかをくり抜いて、ふちに回転する軸を二か所つける。高さ二mの、支柱二本の先に軸受けをつくって、玉をはさむように、地面に設置。玉の、内側の底から、長さ一mの棒が突き出てて、持ち手がついてる。支柱の足場から玉に乗って持ち手をつかんで、ふちに移動。ふちにあるベルトで足を固定してから、ひざを使って回転開始。鉄棒と違って持ち手が動かないので、高速連続回転が可能。回転中に足がベルトからはずれたり、持ち手を離したりすると非常に危険でスリリング]
つづく