むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所クラスター㉟

2019-07-31 12:39:56 | 小説
 昭和五年八月未明。瀋陽の製糖工場で、工場長がかごにひもで縛られて頭を斬り落とされて、死んでいる事件が起きた。死体の首は、鎌のような物で斬られている。工場は男性従業員が二〇人と、女性従業員が一一人いて午前九時から午後一〇時まで操業していた。公安が死体を発見した男性従業員のリーダーに、事情を聞いたら「昨日工場長は清掃作業を終えてから、設備を点検してましたけど」と言う。公安が死体を回収して、設備を調べてから、工場はいつもどおりに操業を始める。女性従業員の数人が公安を見て、目くばせしていて「あやしい」と思ったが公安は手順どおりに捜査を開始した。公安が休憩所を調べると、「戦時の心得」というパンフレットがある。ロシアと戦争になった場合を想定した内容で、「生産力が勝利を導く」と書いてあった。発行人は「宇宙改造集団」で、公安はその住所へ行く。思想団体の関与は重要事項だ。平屋建ての、家の入り口に、宇宙改造集団の看板が貼られている。ドアを開けると奥に机があって、男が入り口に向かって座っていた。男は「われわれ宇宙改造集団は、中国四千年の歴史はもとより古代ギリシャから現代に、継承される身体障害者固有の機能エラーをぶん析して、物品販売に役立てる研究をしてる団体だ」と言う。公安が手帳に「・・継承され・・」と書いて、「生産力は関係ないのか」と聞いたら、「生産力は平常心の源であり、人間は七色の覚醒をもとめる習性かがある」と答えた。公安が「物品販売となにが関係あるんだ」と聞いたら、男は「買い手は商品の効能と別に衝撃をもとめてる」と言う。公安は手帳に「機能エラーとは衝撃のような物らしい」と書いて、「宇宙思想の手引き二」というパンフレットをもらって、そこを出る。周囲は空き地だ。公安は工場のトイレを、調べてなかったことを思い出してまた工場に戻った。トイレの、くみとり口のせまい空間をはいつくばってなかに入ると、血のついた作業服と鎌がある。女性の物だ。公安が女性従業員の資料を調べると、工場長の子供を育てている女性が二人いた。産休をとっている従業員がいてその父親も工場長みたいだ。公安がその女性従業員に事情を聞くと、「間違いなく工場長の子供です」とみかんを食べながら言う。その女性は出歩ける状態じゃなかったから、公安が他の二人から事情を聞くと、二人は「工場長が約束を破って、また子供をつくったから二人で殺した」と白状する。公安は二人を逮捕した。



超IQ研究所クラスター㉞

2019-07-30 09:59:47 | 小説
 昭和五年七月未明。長春の、貴族の屋敷で壁に特殊金庫をつくっていた板金職人が、弓矢で頭を射られて死ぬという事件が起きた。弓矢は屋敷の居間に数点飾ってあったどれかだ。貴族は四人家族で、家長の夫婦が五〇代で、二〇代の息子と娘がいる。貴族の一家は事件当時、町の運動会で全員外出していたという。死んだ男は留守の日に作業をしているため公安(中国の警察)が、板金屋の責任者に死体を見てもらうと、「うちの職人じゃない」と言った。金庫は明日完成させるという。貴族は清の、王族の遠縁として有名だが屋敷にある骨董品は、軍人の装備品みたいな物ばかりで、息子が「おれの金貨を使いやがって」と声にならない声で、叫んでいたけど熱気を帯びた負荷は手変わりがある金貨のようだ。公安が「死んでる男に見覚えがあるか」と、家長夫婦に聞いたら夫婦そろって「見たことがない」と答えた。息子に聞くと、「小学生のときに、行方不明になった兄がいる」と言う。娘は「知らない」と言った。家長に行方不明の、息子のことを聞いたら家長は毅然とした素振りで、「軍の少年隊に入隊して病気で死んだ」と答える。しかし公安が軍の書類保管庫で調べると入隊した記録は、ない。公安は中世の奴隷が家長に全身をむちで打たれて、創傷が原因で、頭が熱くなる感覚に襲われた。公安が家長にもういちど聞くと 、家長は威厳がある表情で「子供が三人いると、官位がもらえないので孤児院に預けたよ」と言う。公安が孤児院に電話で確認すると、「元気でいる」とのこと。公安は官位の話がおかしいと思って、役所に行って確認すると、長椅子でずいぶんと待たされてから、職員が「そんなとり決めは、ない。あの家族は実業家」と言う。貴族の家族は小作人を、派遣する会社を経営して官位に関係なく収入があるらしい。息子はトラックの運転手をやって、娘は小作人の宿舎を管理する会社で働いている。その会社は金庫をつくっていた板金屋ととりひきがあった。公安は娘を張り込む。娘は板金屋の、責任者の男と肉体関係があった。公安が板金屋の、他の職人から事情を聞いたら「職人仲間がひとり行方不明になってる」と言う。その男に恋人がいたかどうか聞くと、貴族の娘だった。公安が板金屋の、責任者の男から事情を聞くと、「金貨の持ち主がおれになるから殺した」と言う。娘が死んだ男に、負荷がある金貨をプレゼントしたと思っていたらしい。犯人は落ち着いた声で殺害状況を説明し始めた。


超IQ研究所クラスター㉝

2019-07-29 09:49:03 | 小説
 昭和一二年二月未明。武漢で女性鉄道駅員が、駅の近くで機関車にひかれて、ばらばら死体になる事故が起きる。公安(中国の警察)は駅員がなにかの理由で、駅の手前で機関車を停止させようとして、線路上でつまずいて、頭を打って気絶した状態でひかれたと考えた。しかし他の駅員に事情を聞くと、「機関車を停止させる理由は、なかったよ」と言う。近くで女学生が反対側のホームにいる労働者を、挑発するように股を開いてしゃがんでいた。考え違いをしたのは、きっとそのせいだ。さっきの駅員は、なにかを隠している様子だったが、公安はもういちど現場の線路付近を調べた。枕木のひとつに小石を、よけてできた直径二〇㎝ほどの穴がある。公安がそこに手を入れると、奥行きのある空洞があった。次の瞬間に、空洞に潜んでいるなにかが公安の腕を、ひものような物で縛ってなかへ引きずり込もうとする。公安は大声で助けを呼んだ。他の公安が駆けつけて付近を調べると、枯れ草を貼りつけた板があって出入り口になっていた。なかは昔の墓で、五m四方ほどの空間があって、明かりがついている。裸婦の絵を描いたキャンバスがあって、壁で作業ズボンにとっくりのセーターを、着た四〇歳前後の男が、線路にいる公安の腕を引っ張っていた。公安は男を逮捕する。男は一〇年ほど前から偶然その空間を見つけて住み続けていたらしい。男は趣味で推理小説を書いていて、換気口から腕が出ているのを見て思わず引っ張ったという。公安が男の作品を読ませてもらうと、前後にスローガンのような物をつけて語り継げば、なにかの役に立つ感じがする。男は「完成させたやつはいない」と言う。公安が「金貨の負荷はどうするんだ」と聞いたら、男は「文字数をそろえれば最小になる」と言った。公安が「誰に売るつもりだ」と聞いたら、男は「日本軍に売る予定だった」と答える。裸婦の絵を聞いたら「続きを知りたければ文章を読むことだ」と答えた。


超IQ研究所クラスター㉜

2019-07-28 10:00:09 | 小説
 殺菌処理が不十分な食品は食べられない。タイトルはトランポリン。

 昭和一七年九月未明。香港で空き地に直径一五㎝ほどの、木の杭を高さ一mぐらいに、円形に約一m間隔で、一八本打ち込んだ空間の中央で男が、全身を強打して死んでいる事件が起きた。死んだ男は空き地を管理している会社の社員らしくて、杭の先端には金具が、ついた太いゴムがついていて、一か所だけトランポリンと思われる布がついている。公安(中国の警察)は死体のそばに、直径一〇㎝ほどの穴が三つあることに気づく。次の瞬間、穴から竹の棒が六mほど突き出してすぐ引っ込んだ。棒の先端はひっかかるように、ぎざぎざになっている。公安が近くに落ちている不審な鉄板をめくると、地下道の入り口になっていた。板張りの地下通路を進んで、杭の真下にたどり着くと、コンクリートでかこまれた空間に照明があって、一〇分おきに竹の棒を圧縮空気で押し出す装置がある。公安は電源を切って、「一〇分おき」と書いてある張り紙を押収した。公安は捜査本部を立ち上げて、犯行声明を待つ。公安は待っている間に、ピアノに似た古代ゲームを思いついた。まず金属製レールの上に溝が四〇個あって、レールの横に、木製の鍵盤が四〇個ある。鍵盤が動くと、溝にはまった木の玉がレールから落ちて、もうひとつの下りレールを転がって皿に集まる構造だ。鍵盤の長さが一五㎝ぐらいで、上に二㎝くらい残して軸がある。鍵盤の根もとにひもがそれぞれついていて一mほど距離を置いて、同じ構造の物。つまり鍵盤の根もとを引くと、相手側にある鍵盤の、前の溝にある玉が落ちる。二人で対戦して一回ずつ鍵盤を動かして、相手の玉を全部レールから落とす。玉は四〇個で溝以外の場所に置いてもいい。玉の直径が一.五㎝ぐらいで、鍵盤の幅が約二㎝。鍵盤のふちに当たると、溝にはまるから八〇回以内で全部落とせる計算だ。事件から二日後に、捜査本部に「世界革命集団」から犯行声明が届く。犯行声明は張り紙の文字と同じ筆跡で、次回の犯行予告も書いてあった。公安は予告があった空き地を張り込む。穴を掘る重機がやってきて、土を掘り返し始めた。公安が「世界革命集団か」と聞いたら、「そうだ。うちの偽装トランポリンがなにか」と言う。公安が「こんどは、なにをつくるんだ」と聞いたら、男は「高さ六mの塔に螺旋階段をつけて、最上段が地面まで落ちる『天国への階段』の基礎工事をやってる」と答えた。公安は男を逮捕する。男は「人が死んだことは知らなかった」と言う。


超IQ研究所クラスター㉛

2019-07-27 09:47:53 | 小説
 昭和一一年三月未明。長春でめがね屋の店主が、頭にリスの剥製を巻きつけて、首をロープのような物で絞められて、死んでいる事件が起きた。店主は椅子のそばに倒れていて、机でリスの剥製につけるためと思われるめがねをつくっていた様子だ。公安(中国の警察)が奥さんに事情を聞くと、奥さんは「首の傷が見えるように、剥製を首から頭に動かしたけど」と言う。公安は昨日まで三日ほど図書館にかよってプラトンを読んだ。作業机を見ていて思い出さずにはいられなくなった。全集を読み終えて結論は、ソクラテスは空想の産物じゃなくて、未来世界で最初にタイムマシンをつくった男らしい。プラトンの対話編は未来からタイムスリップしてきたソクラテスと、古代ローマにあったであろう小部屋から出てきた子供が成長した人物との対話である。公安は歴史年表から逆算して古代ローマにあった小部屋のかずを三万人ぶんぐらいと推定した。つまり原人の方が多い。原人の先祖は猿だが、小部屋の外壁を食べると、人間と同じ姿になるようだ。対話編の方は本来知能が、高いであろうソクラテスが原人に、言い聞かせるために徳やイデアなどのことばをなんども使って、思いや考えの原型とも言えるような文章になっていた。これは未来の世界で絶版になって、消失したためにソクラテスが開発中のタイムマシンで、古代ギリシャに向かったと考えられる。公安は文章をよく読んでソクラテスが、対話している場面を想像したが、相手が小部屋から出てきた子供の、その後じゃなくて原人になるみたいだ。そして古代ギリシャの原人が、読者である公安に擬態している感じがした。古代ギリシャで原人に擬態されることは恐怖なのかも知れない。対話編は原人が未来の読者に、擬態するように書かれている。ここまで考えたら古代ギリシャの女と対話することができた。公安が「政治家は全員人間なのか」と聞いたら、古代ギリシャの女は「ギリシャの議会では、原人を未来の人間に擬態させることがテーマよ」と言う。公安が「どういう時代を狙うんだ」と聞いたら、古代ギリシャの女は「戦争があって、なにも知らない人ばかりで本がある時代よ」と言った。公安が「原人で金貨の負荷をどうにかできるか」と聞いたら、原人が出てきて「それはあんたのだよ」と言う。公安が古代ギリシャと中華民族の、歴史関係と時空がつながる現象について、思いをめぐらせていると床に長さが、二mほどの蛇がいる。店主は蛇に絞め殺されていた。


超IQ研究所クラスター㉚

2019-07-26 10:06:37 | 小説
 昭和一二年四月未明。北京で床屋の店主が、長さ一mぐらいな髪の毛で絞め殺される事件が起きた。目撃していた客は「紙袋をかかえるように、入ってきた客が鏡越しに見えて、店主がおれの顔を剃ってるときに、その客が絞め殺して逃げたよ」と言う。公安が「顔を見たか」と聞いたら、客は「よく見てない」と答える。髪の毛は、髪の毛を固定する器具みたいな物を使って絞め殺したあとに店主が使っていたかみそりで切られているようだ。公安が奥さんに事情を聞くと、奥さんは「二週間前に髪が、ものすごく長い女性がきたけど」と言った。公安が「切った髪の毛はどうしたんだ」と聞いたら、奥さんは「『持って帰る』と言うから紙袋に入れて渡したわ」と言う。公安は人相を聞いて事務所に戻って、書類を手短につくってから昨日起きた飛翔教団の信者が、事故死した事件の書類を見なおす。その事件では、地もとにある教育大学の学生が、入信の儀式で事故死していた。教団の、シンボルである飛翔の塔は、高さが約一〇mで、直径が約五m。なかが空洞になっていて五百㎏ほどの重りを上から落とす構造だ。塔のふちに高さが四mぐらいで、L字型の支柱があって、先端に滑車がついている。塔の上に枕木が二本あって、中央に重りを載せたパレット。信者二人がハンマーで枕木をずらして、重りを下に落とす。重りについているロープが支柱の滑車をとおって、塔の下にいる信者とつながっている。ロープの長さがおよそ一八m。斜めと腰の高さが同じくらい。塔外側の、信者側の壁はすべるように、つるつるになっている。重りが一〇m下に落下すると信者は腰の高さだけ、塔のふちから猛烈に引っ張られてから空中を飛翔。五百㎏だと七〇㎏の大人が七人ぐらいだ。滑車にぶつかるほどの推進力は、ない。死んだ大学生はどこに頭をぶつけたのだろう。ずらしてない方の枕木だ。ぶつかった衝撃で枕木が下へ落ちたために、報告書では「滑車に激突」になったらしい。恐らく入信の儀式で重りを落とす二人は、もうひとつの枕木をふちへどかすか下に落としているはずだ。公安は担当の公安に重りを、落とした二人をとり調べるように指示した。あとは床屋の、事件の犯人に呼びかけるだけだ。次の日に、その女が自首してくる。女は「毛先だけ切るように言ったけど肩口から切られたので殺した」と言う。女は弦楽器の演奏者で弦を、引き伸ばす器具で凶器をつくったそうだ。



超IQ研究所クラスター㉙

2019-07-25 10:39:06 | 小説
 自分で小説を書くと生きている作家の本は置き場所がないことに気づく。どういう本が売れるかは反社会的な共産主義活動がやりやすくなる本だ。タイトルは木彫りの人形。

 昭和一三年五月未明。天津で人物の木彫りをつくる美術家が、木靴を結びつけたひもで、首から下を巻かれて死んでいる事件が起きた。美術家はアトリエのなかを数日はいまわってから衰弱死している。公安は奥さんから事情を聞きながら古代の、「木目千枚ゲーム」のことを考えていた。木目千枚ゲームは厚さが一㎝ぐらいで縦横四㎝くらいな木の札に、一~十までの数字が一〇〇枚ずつ書かれている。それを縦横と上に、数字を裏向きで一〇枚ずつ並べて、二人で外側から順番にめくり合うゲームだ。最初は二枚ずつめくって一枚ずつめくる枚数を増やして九枚の次がずっと一〇枚で、同じ数字が出ると札をよけて一点。先に二五一点とった方が勝ちだ。全部で千枚あるから裏の木目と数字は覚えられないが覚えているふりをして、霊感でめくると確率以上に当たることがおもしろい。公安は木目千枚ゲームのことを考えながら、奥さんとなにか会話をしていたがなにも覚えてなかった。記録するほど重要なことがなかったことだけ記憶している。現場は窓がひとつあって、外からはめ込んだ形跡があった。公安は「つまらない事件だ」と思いながら木靴の専門店で事情を聞く。店主は「四日前に子供の足が大きくならない『呪いタイプ』を、二〇足買った客がいて会員登録してたよ」と言った。公安は「なんという愚かしい犯人だろう」と思いながら住所を聞いてそこへ行く。公安の脳裏に、古代の陣とりゲームが浮かんだ。すそが長い着物を、着た木彫り人形が ま す 目の彫られた平らな床に一〇体ずつ並んでいる。ます目は一m四方ぐらいで一〇かける一〇だ。公安の脳裏にルールが浮かぶ。最初は人形が後ろの横に、一〇体ずつ向かい合うように並んでいて丸太を持った男が、丸太で人形を押す。最大で三ます動かせて相手の人形と接触したときはひとますしか動かせない。縦方向に九ますぶん進んで相手の陣地へ人形を、先に押し込んだ方が勝ち。相手の人形をサイドへ押し出すと、最初の位置に戻せる。人形が倒れた場合も最初の位置に戻るっ。公安が犯人の家に着くと、わらぶき屋根な一軒家の玄関先に木靴を買ったと思われる男がいる。公安が「木靴を買ったのはあなたですね」と聞いたら、男は「美術家に『世界改造集団』の、神の木彫りをつくってほしいと依頼したが、『木彫 りは低級な物だから、神の木彫りはつくれない』とことわられたから殺したよ」と言う。公安は男を逮捕する。



超IQ研究所クラスター㉘

2019-07-24 10:13:26 | 小説
 昭和一六年三月未明。香港の大学で、思想改造集団のメンバーが、一〇~一二㎝おきに珊瑚が結ばれたひもでぐるぐる巻かれて、天井に太いゴムひもでつるされて、死んでいる事件が起きた。大学は開校記念週間で、現場の教室は、人の出入りがない。死んだ男は三日ぐらいつるされてゴムひもが切れるように努力しながら衰弱死している。死んだ男はわざわざ思想改造集団の名札をつけているため、大学内でメンバーを、増やすためのデモンストレーションで天井につるされたらしい。つるした他のメンバーは学生が発見すると思ったんだろう。公安(中国の警察)は死んだ男が首と足先を動かして、脱出しようとしてゴムひもを伸ばしたり、縮めたりしている様子を想像しながら「IQが高い若者を募集してるようだ」と思った。公安は開校記念週間明けの大学で、一〇㎝かける五〇㎝ぐらいで持ち手がついた思想改造集団の旗を配っている男から、事情を聞く。その男は「メンバーがひとり減ったから、おれがこうして働いてる」と言った。大学内のメンバーに働きかけてドイツで研修を、受けた講師を送り込んで、ファシズムの研究課程を新設するという。公安が「どんな講義をやるんだ」と聞いたら、男は「まずアリストテレスの例文から実践して、前の席に、座ってる学生に『君はソクラテスだ』と命令する。次に『ソクラテスは白いな』と言う。そして他の学生が命令された学生をソクラテスに見立てて『ソクラテスは白い』と認識する。そこである学生が『ソクラテスが白い色をしてる状態に見立てるんですか』と聞いたら、『ソクラテスは白いという文字列を認識するんだ』と言う。質問がないときは、ソクラテスは白い状態で『ソクラテスに墨をかけると、灰色になる』のように進めるんだ。他にハードカバーの本を用意して『この本は三角形だ。鋭角のページが折れやすい』や『この、空間に一立方mの有毒ガスがあって吸引すると死ぬ』や『この、万年筆は未来の、日本における天皇の記念金貨だ』と言ったら、学生が全員で「あんたのじゃない」と言う。こんな風に時間いっぱい命令をして、ゲームのように学生が想像して楽しむ」と言った。公安は「ファシズムの授業は楽しそうだな」と思いながら大学内を張り込む。翌日に大学内を、歩いていた女子学生の口に旗を押し込もうとした男が逮捕された。男は開校記念週間を知らないで、メンバーを、つるしたことを認める。その日公安は「ファシズムの研究」というノートをつくった。


超IQ研究所クラスター㉗

2019-07-23 09:55:40 | 小説
 昭和九年一〇月未明。アモイの漁村で、電信柱に「漁船売ります」のポスターを貼っていた男が、重さ一〇㎏の、米袋の下敷きになって死ぬという事件が起きた。現場は港に近いことから大漁祈願の米袋が落下したみたいだ。その村では、大漁祈願のおまじないで、米袋を電信柱の上に置く風習がある。死んだ男は少ないのりでポスターを貼りつけようとして、米袋を落下させたようだ。公安(中国の警察)が米袋をどうするか考えていると、とおりすがりの老人が「浮き日の金貨に言われて竜が空気を食べて、雨がふるのじゃ」と叫ぶ。「浮き日」は日本の、金貨のことを言っているらしい。父子的関係の子供である日本に向かってなにかを叫ぶ老人はときどきいる。まるで日本にいる華僑からなにかの連絡を受けて、それに答えたような叫びだ。軒先じゃなくて遠い未来の子供たちに向かって、なにかを言おうとしているのかも知れない。 公安は老人の日常を透視したが、読み書きがままならない様子だ。老人は文字のかわりに、なにを共有しているのだろう。動物園で聞いた話だとゴリラの寿命が五〇歳ぐらいだ。きっと未発見の猿で七〇年くらい生きるやつがいるに違いない。公安は老人の叫びが、当たっているような気がしながら米袋を押収した。


超IQ研究所クラスター㉖

2019-07-22 09:46:52 | 小説
 記念金貨を使って、他人の回線接続を切断するという行為はインターネット世界におけるテロ行為だ。タイトルは納屋。

 昭和九年一月未明。武漢にある農場の、三階建て納屋の三階で小作人が、撲殺されている事件が起きた。公安(中国の警察)は農場の責任者に事情を聞く。責任者はガラスをはめ込んだコインケースのなかにある金貨をながめながら「納屋は一階が選果場で、二階は干し草の置き場で、三階は綿花の置き場になってる」と言う。その場に居合わせた老人が横からしゃしゃり出てきてなにかしゃべったけど、訛りがひどくてよく聞きとれない。公安は読み書きがままならない中高年者から若者を、守る正義の味方を考えていた。必殺わざが国語辞典ビームで、文字列が乱反射した光線のように、怪獣に命中する。怪獣がさっきの老人だ。他に状況描写銃や思考描写砲を考えたが、相手に利用されるだけなのでやめた。そもそもわざわざ正義の味方をつくると、読み書きがままならない悪者の存在理由になる。そういうことならコインの手変わりで宮廷文学魔神をつくった方が退治しやすい。死んだ男は全身にあざがあった。農場に小作人が、二〇人ほどいたが小学生の、息子(被害者幽霊を小学生に変換して対話する特殊能力がある)のかわりに責任者が「犯人じゃない」と声にならない声でいっている。この周波数でうそがつける人間は存在しないから本当だろう。公安が村の武道場で事情を聞くと、「その農場から二人きてるよ」と言う。ひとりはベテランで、もうひとりは最近入門してきた男で死んだ小作人だった。死んだ男のあざは、武道の稽古が原因だ。村の武道場は飛びはねながら平手で、突く武道スタイルで死体のあざは強く突いてできた物だ。公安がベテランを疑うと、「事件と関係ない」と責任者がいっている。検死の結果を確認したら、あごに小さな切り傷があって、首の骨が折れているという。公安が小学生の息子に聞くと、「納屋で武道の練習をしてて壁づたいに、天井に登って、着地に失敗した。毎日がきらきら輝いてるよ」と言う。小学生の息子じゃなくて、幽霊の方だったがそうらしい。公安は手帳に「浮き民(中華民国の民)」と書いて、きらきら輝いていたのは、誰の金貨か考えた。恐らく華僑のだろう。外国で活躍する中国人には強さが求められる。華僑が外国で最初にやることは、読み書きがままならない、おかしな人がどこでなにをやっているかに着目することだ。そしておかしな人に、まつわる商売に着手する。やがておかしな人を雇って猛獣のように飼い慣らす。華僑の明文化された商売はたいてい成功する。どうやら読み書きがままならない中高年者は外国のおかしな人と一体化しているようだ。


超IQ研究所クラスター㉕

2019-07-21 09:33:09 | 小説
 前後にタグがついて時空をさまよっていたこの短編集にも失敗作はある。タイトルはバルコニー。

 昭和一三年一〇月未明。瀋陽にある六階建てマンションの六階バルコニーで、資産家の女性が、なに者かに首を斬りつけられて死ぬという事件が起きた。被害者の傷は鋭利な刃物じゃなくて、金属片のような物でえぐられるようにできている。その部屋はかぎがかかった密室だったため、公安(中国の警察)はバルコニーや屋上を入念に調べた。死んだ女性は中産階級積み立て拠出金でマンションを一〇軒経営していたが、業務的なことはすべて管理会社に委託していて、動機がありそうな人物はいない。現場のマンションは、小学校のグラウンドに面しているが事件当日学校は休みだった。凶器や事故の原因となる物は現場になくて、公安は死んだ女性が、バルコニーにいた理由がわからなかったので懸賞金をかけて、びらをつくって、目撃者を探す。小学生の娘(被害者幽霊を小学生に変換して対話する特殊能力がある)が「自ぶんの頭で考えなさい。自ぶんの頭で考えなさいっ」と同じことをなんども言っている。公安は死んだ女性がかいま見ていた未来を見た。未来の主役は、近親結婚が飽和して従順でおとなしくて宇宙人のように無表情な若者たちだ。知能が低くて、声にならない声でなんども説明する必要がある。犯罪に染まることなく、大人の食べ物に、手を出さない幸福感に満たされた子供たち。若い彼や彼女らは宇宙人のような声で「どうしてそうなるんですか。それはあなたの場合でしょう」と言う。確かに、役に立つ。競争に勝とうなんて思わないで、ただひたすらに、日々の状況描写に明け暮れて食品会社がつくった人生進行計画を読みほどく。そんな未来の子供たちをよく見ると、小型通信機を持っていて電子パネルに、表示されるパズルゲームに、夢中になっていた。そのゲームでは、放送局の、舞台裏のような雰囲気を間近に体感できて、不特定多数の人々と交流することができるようだ。死んだ女性がそれらの未来と、どうかかわるのかは不明だが、小学生の娘は同じことばばかり叫んでいた。数日後に「その時間帯に凧をあげてた男がいたよ」と言う目撃者が現れる。先物プログラムは死んだ女性が見ていた未来だ。次の日に凧をあげていた男が自首してきた。男があげていた凧は鳥の形をしていて、翼の補強金具がむき出しで、血がついている。公安は男を逮捕した。男は二つの凧を同時にあげて空中でぶつけて、遊んでいたという。死んだ女性はバルコニーで、その危険で古風な遊びをながめていて、飛んできた凧を受けとめようとして首に命中したらしい。


超IQ研究所クラスター㉔

2019-07-20 09:13:58 | 小説
 特殊能力公安シリーズはまだまだ続く。タイトルは唐辛子工場。

 昭和一五年六月未明。上海の唐辛子工場で作業員が、変死している事件が起きる。死んだ作業員はコンベヤにあおむけで、顔じゅうに唐辛子をつけて窒息死していた。公安(中国の警察)は工場関係が専門の若い女性公安を同行して、工場の責任者に事情を聞く。その工場では、半液体状の業務用缶詰をつくっていて死んだ作業員は見習いで、唐辛子を缶に封入する機械の、清掃作業をやっていたという。若い女性公安も見習いのような物だが美容院で髪をくるくるパーマにして、厚めの化粧をしていた。責任者はバナナを食べながら「清掃作業のときはタンクをからにしてから、作業をする」と言う。見習い作業員はタンクを、からにするのを忘れて、タンクの底を清掃していて、作業服のそでで手動レバーをひっかけて唐辛子が、もろに口のなかへ入ったようだ。死体のおなかが不自然にふくらんで、いたので公安がさわると、死体の口から唐辛子が吹き出して、若い女性公安の顔にかかった。責任者は「圧力をかけて封入します」と言う。その日公安は「知能が低くて若さを体感する現象の考察二」という論文を書く。なぜ続編を書く気になったのかと、いうと今日の若い女性公安が、書いた書類が誤字脱字だらけで軽い微熱を感じてだ。きっとなにかの、犯罪者の影響で、たまたまそうであったに違いない。まず麻雀の複合役が、理解できないぐらいの知能だと、いつまでも学生時代の、気ぶんのままでいることが考えられる。それはそれで結構なことだが、親子ほど年が離れたいまどきの学生に向かって「そこ私の席よ」と言ってからみつきかねない。恐らく学生時代に授業でノートを書いてなくて、読み書きをしなくていい場所は学校だという認識が、あると思う。公安は学生時代にノートを書かないで聞くだけだと、かしこくなった気ぶんになるが話しことばと文字は違うのでいつもノートを書いていた。学生にからみつく中高年者は、自ぶんが学生時代に、先生がしゃべっていることと、黒板に書いてある文字が、違うことに気づいてなかったのだろう。もしかすると耳が悪い人のために、黒板に書いていると思っていたのかも知れない。そういう人々の考える世界は地球を片手で持ち上げる巨人が、ピンセットで地上の、米粒をひとつずつつまんで収穫袋に入れるような神秘さがある。しかし巨人が便意をもよおして、地球をほうり投げるとどうなるだろう。ノートを書かない人々の地球は、宇宙のかなたに消えた。


超IQ研究所クラスター㉓

2019-07-19 10:05:14 | 小説
 昭和一三年四月未明。香港の銀行で、焼却灰のなかで行員が、死んでいる事件が起きる。公安(中国の警察)が他の行員に事情を聞くと、死んだ男は「古い紙幣を焼却処理する担当だ」と言う。銀行は灰の重量で管理していて事件当日に測定して灰を処理する予定だったらしい。公安は死んだ行員が複数の男によって、灰の袋に押し込まれる凶悪事件を考えようとしたが、どう見ても気づかれないように、灰の袋に潜り込んで窒息死している。公安は手変わりがある金貨を銀貨や銅貨、あるいは紙幣に、両替できる場所が他にないことから緊張した。公安の脳裏に、未来の日本で女性が、高額面の金貨を銀行で両替している場面が浮かぶ。公安は安くて高品質な服や電気製品を、中国でつくる必要を感じた。しかし未来の日本において、持ち主が若さとわがままを集約しているであろう手変わりのある高額面金貨は、本人の都合では、なくて負荷を体感している人のために使う物だと思う。公安は未来における日本の、子供たちがつくる木星の、衛星タイタンとの時空的民族関係を考えながら、男の自宅を捜索する。公安がドアを開けると部屋じゅうに、番号順に並べた大量の廃棄用紙幣があった。天井にも、御札のようにあちこち貼ってある。廃棄用紙幣は簡単に持ち出すことができたみたいだ。男の遺品に、日本の恵まれない子供たちへ送金する計画書があって公安は参考資料として預かることにする。計画書には廃棄用紙幣で手変わりがある金貨を回収して、回収した金貨を日本へ送って地金にしてから、また手変わりがある金貨を、つくるという方法が書いてあった。その際に「南京大虐殺の呪いなどを手変わりにおり込んで、両国の父子的関係を強固にします」と書いてある。その日公安は、華僑の組合が主催する変則投資保険講習会に参加した。変則投資保険とは現行貨の手変わりに対して、お金をもらうだけの保険だ。つまり「もらったお金のぶんだけ、手変わりの要因から受ける影響を緩和しましょう」という保険である。公安が金貨の手変わりだと、いくらぐらいかかるか質問すると、主催者は「その、金貨の、半ぶんくらいの保険料が必要」と言う。公安が「事件のときに関係者が、持ってる場合だけだが」と言ったら、主催者は「加入者がたくさんいればもう少し安くできるけど」と答える。手変わりがある金貨の保険は、ないということだ。公安は死んだ行員の計画書どおりに、未来の日本に転送することが最善だと思った。


超IQ研究所クラスター㉒

2019-07-18 09:49:13 | 小説
 昭和一二年三月未明。北京のカウンターバーでマスターが宙づりになって、死んでいる事件が起きた。現場は天井の横木と、マスターの両足が鎖で結ばれて、南京錠がかけられている。マスターは鬱血死していた。公安(中国の警察)が横木を切断して、死体を下ろす。横木には爪でひっかいた形跡があり、他に外傷がないことから、顔見知りの犯行に見える。ここの店では、幻灯機でポルノ写真のスライドを、客に見せることで有名だった。公安は三千枚ぐらいあるスライドのどれかにヒントが、あるような気がしてひとつずつチェックする。おかっぱ頭で、一五歳ぐらいの少女が裸で竹馬に乗っている写真は陰毛もきちんと写っていた。肩より短いくせ毛で三五歳くらいの女が両手をやや後ろについて、両足を広げて、陰部を膣が見える位置まで、おしりを突き出した写真は、色情をそそられる。スライドには男女が、交わっている写真がなくて、フレスコ画がかなりまざっていた。公安は無意識のうちに被写体がしゃべる写真とフレスコ画をよりわける。公安はこれらの被写体が、誰かの物になることはいけないことだと思った。永遠に、スライドのなかに存在しているべきだと考えたっ。国語辞典で膣の文字を読むと、見えるようにするべきだと思った。息づかいや恋愛感情のような思いも読めば体感できるようにする必要があると思ったっ。スライドは国際的な規格があって華僑の組合でつくっているみたいだ。一五分ぐらいたつと常連客がきて、「ここのマスターは脱出手品が得意で南京錠を外してガッツポーズしてたよ」と言う。公安が「かぎはどうしてる」と聞いたら、「そこの壁へほうり投げるよ」と言った。公安がカウンターの下を残念そうに調べると、南京錠のかぎが二つある。死んだマスターは脱出手品を練習していて、脱出用のかぎをほうり投げて脱出できなくなったようだ。脱出手品はスライドの女が「あれをやって」としゃべるときにやるらしい。ポルノ写真のスライドはオークションで、ロットで仕入れていたという。その日公安はノートに小説を書いた。スライドが見ほうだいの時空バーだ。まずスライドが見やすい席に座って、マスターに年代を注文する。現在のスライドを見ているうちに、少しずつ注文した年代に近づいて、その年代に到達すると、スライドの女がしゃべり出す。なんのために、やるのかと、いうと犯人の先祖にしゃべる女がいるためだ。公安は金貨の負荷を感じながら、せりふを書いた。


超IQ研究所クラスター㉑

2019-07-17 09:31:21 | 小説
 万葉集の時代はいろいろ不便だがまず紙をつくろう。水車小屋で木くず粉砕器とプレス機を動かして、紙をつくる。タイトルは電話局。

 昭和九年一〇月未明。大連の電話局で、電話交換手の女性がトイレでからだに銅線を巻かれて、感電死している事件が起きた。現場はとなりの、トイレの天井からケーブルが引かれていることから、犯人はとなりのトイレに潜伏していて、女性電話交換手を気絶させたあとに、銅線を巻いて感電死させたようだ。公安が天井を調べると、むき出しの電線から電源が引かれていて、なぜか天井裏に写真機が置いてあった。公安が「考えるひまのない事件だ」と思いながら、設備の責任者に事情を聞くと、責任者はときどき「せいやっー。せいやっ」と口ずさみながら、「トイレの天井は電話線が密集してて専門業者じゃないと、そういうことはできないー」と言う。公安が「そのかけ声は、なんだ」と聞いたら、責任者は「祭りの練習うー。せいやっさー。よしっ」と答えた。近々祭りがあるらしい。電話局は四階建てで、事件の現場は三階。公安が心の保険会社に「犯人がまだなかにいる」と電話したら、担当員は「それは受付で確認してから。あと格闘シーンの点数計算がまだできてない」と言う。まず公安は入り口の警備員に事情を聞く。前日に、工事業者二名が局内に入って、二時間後に出た記録がある。公安が「本当に出てきたか」と聞いたら、警備員は「サインしか見てない」と言う。犯人はまだ局内にいる。公安は潜伏できる場所を下の階から順番に調べた。四階の資材庫に、人の気配がする。公安が心の保険会社に電話して「点数計算はどうするんだ」と聞いたら、担当員は「相手は想像の産物ですから勝てる犯人しか出てきません」と言う。公安がドアを開けると、なかから懐中電灯を持った色黒な女と、長さ二〇㎝ほどの電極棒を二本持った男が「さあー。さあーっ。さあー」と叫びながら飛び出してきた。公安のカンフーでたちまち二人は逮捕されて洗いざらい白状する。二人は「思想改造集団」のメンバーで、電話工事の業者だったが「電話は思想をねじ曲げる物だから」と考えて、犯行を計画したという。男に写真機を、置き忘れていたことを聞くと、「仕事が完了しないと撮影できない」と言った。そのとき、公安の、心の保険会社から電話がかかってきて、いつもの担当員が「電話会社では好奇心をかたむけるように、一年じゅう祭りを、やる習慣があることをどこかで説明して」と言う。公安が「殺人事件自体の点数計算はどうする」と聞いたら、「全部つくり話だ」と言った。