al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

MET「The Enchanted Island」

2012年02月12日 | オペラ
すっかりMETライブビューイングづいています(笑)

前々回上映のバロックオペラに続いて今シーズン7作目もバロックオペラ「エンチャンテッド・アイランド(魔法の島)」です。シェークスピアの「真夏の夜の夢」「テンペスト」を題材にヘンデルやヴィヴァルディ、ラモー等の曲を付けた、この度のMET上演のために作られた新作オペラです。ですから、当然に初演ということになりますね。




音楽はバロックが使われていますがオペラ制作の手法は現代的で、ロデリンダで感じた冗長な感じは全く無く、編曲の巧みさやCGを駆使した舞台装置などと相まって、観る側も気が緩むこともなく最後まで一気に楽しめました。

特に素晴らしかったのがカウンターテナーのデイヴィッド・ダニエルズとメゾのジョイス・ディドナート、そしてダニエル・ドゥ・ニース。

ジョイスのアジリタの素晴らしさ!



切々と歌うデイヴィッド



ドン・ジョヴァンニのレポレッロ役ですっかりファンになったピザローニは相変わらずの演技力と素晴らしい”ていおん”を響かせてくれたけど、アジリタが少し溶けてた(笑)のが残念でした。やはりバロックには独特な技巧があるので誰でも!って訳にはいかないんでしょうね。そういえば同じくロデリンダの王グリムアルド役のジョセフ・カイザーのアジリタもだらしなかったなあ(汗;

しかし、装飾的で華麗なバロックオペラ、現代のように社会が複雑化して経済や地球環境など重苦しい時代には、文句なしに美しい世界に誘いこんでくれるこの手のオペラは難しい事を考えずに楽しめていいのかも・・。

ネプチューン役のドミンゴのアップでヨダレを垂らしていたのは・・見なかったことにしておこう(°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥ )