ー 脳 の 再 配 線 ー
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東京の地下鉄では座っている乗客のほぼ全員がスマホを操作している。
対して、ワシントンは約半数である。
そんな米国でもスマホが精神や知性に及ぼす悪影響が広範に語られるようになった。きっかけは3月に出版されたニューヨーク大学の著名な社会心理学者、ジョナサン・ハイト教授の、『「不安な世代」ー子ども時代の大規模な再配線がいかに精神障害の伝染を引き起こしているかー』という本。
再配線とは人間の交信経路がスマホにより根本から変わったことをいう。
本の主旨は、スマホの普及で人間本来の肉体や知的な活動、家族や友人との接触、自然の鑑賞などが失せ、特に10代の少年少女の正常な成長を妨げているという警告。
具体的には、2010年から24年の間に西側諸国では10代のうつ病症状が男子で165%、女子で143%増加した(以上、産經2024.5.3 古森義久特派員)。
これを読んで、すぐに連想したのは1957年テレビが流行り出した頃社会評論家 大宅壮一が言った「一億総白痴化」。これはテレビは人間の想像力や思考力を低下させてしまうという意味。この現象がスマホの普及で加速している。
そういえば最近の若い者は外を歩いていても、周囲に気を配ることができない。先日も、公園の草地を歩いていたら、ジーパンをはいた若い女が左からこちらの進路に直角に交差する形で歩いてきた。直進する気である。こちらを見ようともせず、速度もゆるめない。幸いこちらが先に向こうへ抜けたのでぶつかることはなかったが。
車の場合、ブレーキを踏めば速度が落ちる。アクセルを踏めば加速する。これが正常な配線がされている場合である。再配線とは例えばブレーキペタルがキャブレターにつながっているケースだろう。
人の脳のニューロン(脳細胞)のネットワークもつながるべき所につながっていないと人はおかしな行動をとるようになる。
ジーパンの女の行動が単なるしつけの問題と笑ってすまされることを願うばかりである。