― 畑がなくなる ―
最近、よく写真のような光景を目にするようになった。
自宅から半径1~2キロ、さして広くもないのに3~4か所もある。畑の赤い土を持ち出しているのである。
持ち出しているのは園芸業者あたりだろう。もちろん、無断で持っていくのではない。所有者と話をつけた上で農業委員会に農地転用許可を申請する。
農業委員会は採取期限や掘削深度〇メートルなど条件をつけて許可をする。許可をもらった業者は重機を入れてまず黒い表土を剥ぎ、赤い土が出たらそれをダンプカーに積んでどこかに持っていく。
自分の土地なんだから、煮て食おうと焼いて食おうと勝手である。とはいうもののゆるい起伏を見せて広がる緑野に, 赤い土がむきだしになっているのはいかにも痛々しい。重機も似合わない。
重機が入らないまでも耕作放棄地が多い。きれいに耕している畑もあれば、草茫々の畑もある。当家の周囲も東西南北、畑である。しかしなにも作っていない。
先日、知人が遊びに来た。知人が娘婿に「畑をやる」と言ったら、「いらない」と言われたとこぼした。“ 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ ” という。どちらに学ぼうと勝手だが、この瞬間に選択したことが将来をきめる。
( 次回は ー 年金生活は隠居ぐらしか ー )