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田舎ぐらし(214)

 ー 血のめぐり ー

  

    「死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい」
     順天堂大 医学部教授 小林 弘幸 幻冬舎
 
 昔から血のめぐりの良い方ではなかった。
冬、スキーに行くと手の指が白くなる。そういう時は腕をブンブン振り回す。しばらくすると指先に赤みがさした。
 冬、布団に入っても足の指が冷たい。だからいつも毛糸の靴下を履いて寝た。

 それが数日前、布団に入ると目をつむるより早く、急に足先がぽかぽかと暖かくなった。急ぎ家内に足先の布団をめくってもらった。以来、足先が急に温かくなることはないが、靴下を履くほどには冷えない。

 どうした加減か。スクワットを続けているご利益か、あまり外食をしなくなったためか、先日試した栄養剤のせいかわからない。とにかくこれで自分も人並みに血が巡り始めたかもしれないと少しばかり安堵した。

 思うに年を取って病気になること、頭が回らなくなることなど体の不調はひとつには血のめぐりの不具合で起こるのかもしれない。

 なぜかと言うと、まず、全身の血管の99パーセントを占める毛細血管、これが60歳になると20歳の時に比べて40パーセントも減少する(「上掲本)。 

 もうひとつ、血が運んでいる野菜の栄養分は化学肥料の産物である。さらに病院で処方されるクスリは副作用のおまけつきである。そうすると血は何のためにめぐっているのかわからなくなる。

 それなら毛細血管を余すところなく張りめぐらせ、ー これにはスクワットがいいという(上掲本)ー クスリは飲まず、良質の栄養分を届けてやれば体から文句を言われることはないことになる。素人のとりあえずの結論である。

 
 


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