こちらも眼鏡をテーマにした作品。
『サンゲリア』の“パッケージ”が恐ろしくて(眼球に木片を突き立ててる)、未だに『サンゲリア』を見ていないという、チキンなオレにはヘビーだった。
う~ん、なんというか……救いのない話だな。優れた作品なんだろうけど。
狂気に蝕まれた身体の元凶を断ったはずなんだけど、実は、そもそも目玉をえぐるという行為自体、すでに狂っていた。
もしかしたら、それ以前から狂気の兆しはあったかもしれないし、後日談として語られている内容自体、すでに狂った記憶で改ざんされていたのかもしれない。
いずれにせよ、冷静に自分を分析してみせた主人公だったけど、実は、すでに自分の身に起こっている事態を理解することができなくなっていた、っていうどんでん返しで幕。
この、どんでん返しは、どんでん返しの仕掛けとしては良かったけど。
何の因果もなく、ただひたすらに主人公が崩れていくだけで、読了後はがっくり疲れた。病室から出た瑞樹と同じような気持ちになった。
なんかポジティブな感想にならないのは、オレの趣味・嗜好に問題があるんだろう。
フルチの映画は評価が高くても、オレは観れないみたいな。
なんだか、うまく読めないっていうか、根拠とか理屈じゃないところでオレにはポジティブには受け入れられないってことで。
それと「眼鏡」がテーマである必然性が無い、ってのはもう蛇足だろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます