「フォースが共にあらんことを」
ようやく観にいけたエピソード3。
20世紀FOXのドラムロールとロゴだけで、思わず肌が粟立ってしまう。
そして、おなじみのテーマ曲が流れてくると、「ああ、これで新3部作も終わっちゃうんだなぁ」と妙に感慨深くなったりもした。
んが、しかし。そんな感慨もぶっ飛ばすかのように、いきなりのドッグファイト。
相変わらずオビ・ワンは機械が苦手だけど、アナキンは強えな。っていうか、R2D2って目立たないけど、シリーズ通してエースパイロット(のアシスタント)だよな。
ドッグファイトが終わっても束の間、今度はライトセーバーを使っての剣戟。因縁のドゥークー伯爵とも決着をつけるときが……って、ドゥークー伯爵ってエピソード2のラスボスじゃなかったっけ? と思う間もなく、あっという間に吹っ飛ばす。
これ以降もテンションが下がることなく、全編が見所といわんばかりに、悲劇のラストへ向かってひたすらに疾走していく。
上映時間が140分を超えているのだが、そんなもの気にならない。
ハイスピードで展開していきながらも、アナキンがフォースの暗黒面に堕ちていく様がキチンと描かれていく。
正直、新三部作の制作が発表された当初、結末がわかっているのに映画化して大丈夫なのかな? なんてシロウト考えしていたけど、この描写で大いに納得させられた。
あのダース・ヴェーダーが、なぜダース・ヴェーダーになりえたのか、って。
ハリウッドではタブーとされている子供殺しもやってのけるし(直接描写はないが死体は写る)、オビ・ワンとの決闘シーンは映画史に残ると大言壮語してのけるだけのものがあった。
そして、ラスト。ついに、あのダース・ヴェーダーが誕生し、同時にパドメの命と引き換えにルークとレイアも誕生する。
双子を出産した今際にパドメが「アナキンには善の心がまだ残っている」と言うのだが、この一言によって、新三部作と旧三部作の立場が大きく逆転する。
エピソード1と2では、時間軸としては旧三部作より前の時代なのだが、どこか旧三部作をなぞっているような部分があった(パロディの部分も含めて)。
しかし、エピソード3でのダース・ヴェーダーの誕生、ルークとレイアの誕生をきっかけに、今後は旧三部作が新三部作をなぞっているかのような印象になってしまう。
記憶をリセットされたR2D2とC3POが、アナキンの娘でもあるレイア姫の密命を帯びて、かつての英雄オビ・ワンのいるタトゥーインを訪れる。
タトゥーインには、アナキンのもう一人の息子であるルークがいて、運命であるかのように帝国軍と戦うことになる。
オビ・ワンは、かつて自分が瀕死に追いやったダース・ヴェーダーに殺され、ヨーダも病で死ぬことになる。
そして皇帝との最終決戦で、ダース・ヴェーダーは善の心を取り戻して――パドメの今際の言葉通りに――、アナキン・スカイウォーカーとして自分の息子であるルークを助けて、銀河に平和が訪れる。
旧三部作の後付けで新三部作を作ったんだから、当たり前といえば当たり前なんだろうけど。
でも、この新三部作は旧三部作の壮大な伏線・前フリと(いう形態)、あるいはスターウォーズ・サーガとして貫かれたストーリーとして作られているんだな、と思わずにはいられない。
んなわけで、このエピソード3を観た直後は、もういてもたってもいられなくなって、思わず旧三部作を観たくなってビデオ屋に駆け込んでしまった。
そしたらDVDは全部、貸し出し中だった。意外と、みんな考えることは同じなのかもしれんな、と思ったり思わなかったり。
でも、きっと旧三部作を全部観たら観たで、今度はまた新三部作を通してみたくなるのかもしれないな。
と、ここまで書いたところで。
たぶん、スターウォーズには鼻くそほどにも興味がないという方々にとっては、なんのこっちゃってカンジだろうし、そもそもスターウォーズを知らない人が、単体でこの映画を観ても楽しいとは思えないだろう。
この映画は、あくまでも「スターウォーズシリーズのエピソード3」であって、スターウォーズを観る、っていうかスターウォーズを楽しむことができる人にとって価値があるんだと思う。
もちろん、オレにとってはサイコーに楽しめる映画だった。
『スターウォーズ エピソード3 シスの復讐』(映画館)
http://www.starwarsjapan.com/
監督:ジョージ・ルーカス
出演:ヘイデン・クリステンセン、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、クリストファー・リー、サミュエル・L.ジャクソン、フランク・オズ、イアン・マクダーミド、他
評価:10点
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