近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
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山陽道(西国街道)・青山の街並み散策(姫路市)

2021-03-04 00:06:32 | 近畿

去年の9月なので半年近く前。山陽道(西国街道)の青山を散策した。
宿場町だと思っていたが、調べてみると姫路の次は正條(たつの市)となっている。
因幡街道との分岐点で河岸という立地で栄えたのだろうか?


2020年9月撮影
使用カメラ:SONY α7
使用レンズ:Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III


町の西にある薬師堂を起点に歩く。

薬師堂の脇に「史蹟 宗全寺跡」の石碑。
一応「姫路市Webマップ」に説明があったのでリンクを貼っておこう。
https://www.sonicweb-asp.jp/himeji/feature/600/239780:27176?theme=th_23&layer=600

しかし、個人的には石碑(文字)よりも形あるモノを見る方が愉しい。
という訳で、薬師堂。

右に古い五輪塔が見えるが「姫路市Webマップ」に「嘉吉の乱(1441)のとき、播磨国守護となった山名宗全(持豊)が戦死した一族や家臣の菩薩を弔うため建立した寺」という説明が納得できる。



街道を東へ

傷みが激しいが、明治くらいに遡れそうな虫籠窓の入母屋造の町家。

その隣も本瓦葺き入母屋造の町家。これは先程の町家より2階が低く、ほぼ確実に明治以前だろうと思う。

前栽に立派な松の木、蔵も隣接した上質な建築だ。

明治くらいに遡れそうな町家が多数残る。町家と言っても前栽があって母屋は道から少し引いて建てられたものも多い。

暗渠になっているが道沿いに水路がある。元はもう少し広くて小舟で物を運んでいたのだろうか。それとも生活用水のみの用途か。

これも明治くらいか?2階が低いつし二階建ての町家が多く現存している。

姫路市内ではよく見かける、2階が虫籠窓と出格子になった町家だ。

国史見在社射目埼神社の碑

何か良く解らなかったが、調べてみると稲岡神社に合祀された神社らしい。
国史見在とは『日本書紀』など古代の六国史書「六国史」に記載のある神社という事らしい。
石碑が主張しているのは歴史が古く由緒正しいという事だ。

神社に向かう参道に入ると小さい祠が。


祠の横の町家。

これも、二階が低い。

稲岡神社


蘊蓄を語るのは説明板に任せよう。




鳥居が・・・

国史見在社射目埼神社の碑の後ろ、灯篭の左に鳥居の台座がある。
まさか倒壊したわけでもあるまいが、倒壊の恐れありで撤去されたのかな?

播磨の神社拝殿は千鳥破風と唐破風が重なるものが多い


彫物も精緻で立派だ


説明板にあった絵馬はここには無いらしい




左隣には金比羅神社
海辺ではないが、ここは夢前川の河岸。廻船業など水運関連の生業がさかんだったのだろうか?

古い絵馬も多くある。沢山掛かった小さいやつは干支っぽい


神社の近くに・・

この洋館、外壁はモルタルか洗い出しだろうか。瓦も洋瓦だ。大正か昭和一桁頃だろう。上質な建築だ。

細路地に面している


いや、こっちが表か?

やや簡略化されているが、洋風の意匠がある。

洋館の真横に水路が通る

これは、船着き場ではないか?ここからでは良く見えないが、建築の後部は和風のしつらえのようだ。

庄屋屋敷


蔵の横には洗い出しの縁にドイツ壁の塀がある


母屋も相当古い


少し歩くと、これもかなり古い蔵だと思う。


街道に戻り、東向きに歩き始める
形は町家なのでおそらく改装だと思うが、新築の可能性もある。


街並みが続かず、ポツンと一軒家になってしまった町家が・・・


水路がここかしこにあるが、この石垣はかなり古そうだ。


ここからは、街並みといって差し支えない家並みがある


これも2階が虫籠窓と出格子になった町家


2階の高さだけ見ると大正くらいか。黒漆喰の外壁に細かい格子が美しい。

かなり大きい。改変無くほぼ創建時の姿を留めていると思われる、大変貴重な町家だ。

これは!

舟板壁!!船の廃材を転用したもので見かけは汚いが、貴重な壁材だ。

横庭がある。屋号もあり、母屋は見世として使われていたゆえに前栽ではないのだろう。

やはり、青山は水運の拠点だったのだろうか?

いつまでも残ってほしい風景だ。


次も部分的に改修されているが、上質な町家だ。


虫籠窓は江戸~明治以前というイメージがあるが、二階の高さを考えると大正以降の可能性が高いと思う。

格子が美しい。

2軒並べて見ると、ほぼ同じ時期の建築という印象だ。


向かい合わせの町家は、前栽があり2階の高さが低い。

かなり多きい。

本瓦葺き虫籠窓で2階も低い。

江戸まで遡るかもしれない。しかも、舟板壁。

正面から見ると、2階の低さが良く分かる。


こちらも前栽ではなく横庭


船板に格子。格子は細かくて美しい。


町の東、教専寺山門


木彫が細かい。


寺の北に水路


寺の東を南北にも水路が。

結構太いので、小舟を通すための水路だったのではないか。



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