先頃、平凡社より太陽の地図帖10 『復興建築の東京地図』(松葉一清 監修)が出版された。
関東大震災の復興建築に焦点を当て、復興計画の全容を紹介している。
そして、エリアごとの現存建築が網羅されており、東京近代建築ガイドの決定版と言える。
ところで、この本を語るに欠かせない3冊の本がある。
松葉一清 『帝都復興せり!「建築の東京」を歩く1986‐1997』(朝日文庫・1997年)
松葉一清 『帝都復興せり!「建築の東京」を歩く』(平凡社・1988年)
石原憲治 編 『建築の東京』(都市美協会・1935年)(注:リンクを貼ったサイトに「大正10年発刊」とあるが、昭和10年の間違い)
『建築の東京』は1935年6月開催の大東京建築祭記念出版物。当時の東京の建築を500枚にも及ぶ写真で紹介している。
『建築の東京』に掲載された約450件の建築のうち、『帝都復興せり!「建築の東京」を歩く』(1988年)時点で214件、『帝都復興せり!「建築の東京」を歩く1986‐1997』時点で150件余りが現存していた。
そして今回の『復興建築の東京地図』では、『建築の東京』に掲載されていない物件も含めて、158件が現存物件として紹介されている。おそらく『建築の東京』掲載物件は、現存100件を切っているであろう。
願わくば、『復興建築の東京地図』に掲載された建築たちが、これ以上無くならないでいてほしいものだ。
さりとて「植民地建築紀行 西澤泰彦」が吉川弘文館から10/1に発行されている。入手されたし。即買いの良書。
植民地関係の本は、2~3冊本屋で見つけたが、学術書ばかりで詰まらなかった。ガイド本や写真集だったら買うけど。