近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
大判カメラ、一眼レフ、デジカメなどで
撮影した写真で紹介していきます

近代建築撮影講座(その4)『大判カメラ撮影当日・準備編』

2014-11-24 15:05:11 | その他

書きかけで放置していた『近代建築撮影講座』シリーズの執筆を再開します。
永らくお待たせいたしました。

【過去の投稿】
『近代建築撮影講座(その1)『近代建築とは?』』
『近代建築撮影講座(その2)『下調べについて』』
『近代建築撮影講座(その3)『機材について』』
 



さて、下調べも済んでいよいよ大判カメラによる撮影当日。

天候だけは運まかせなのでなんとも出来ないが
やはり快晴の日がベストである。

ネットを使って作成した撮影計画(タイムテーブル)を元に、訪問開始だ。

現地に到着したら、最初に建物の周りを一周する。
1.建築が最も映える角度
2.太陽との位置関係
3.樹木・電柱などの障害物
の把握が目的だ。

この3点の折り合いを見て、カメラ設置位置を決める。

どうしても折り合いが付かない場合は出直した方が良い場合もある。

たとえば、
電柱の影が建物に被るが時間を変えれば解消する場合、
樹木が邪魔だが冬に落葉すればマシになる場合、
など。

取壊し予定が無ければ、建築は逃げないので
良い写真を撮りたければ撮影者が出直せば良い


次に、下調べでは分からない建築の細かい意匠をチェックする。
あんがい建築の見所は細部の意匠にあることが多い。
全景写真の他に押さえるべきアングルを決めるのである。

デジカメをお持ちの方は手当たり次第に細部の意匠を撮影しておいても良いだろう。
多数の写真を撮っておくと、帰宅後じっくりパソコンモニターで見たときに、
現場で良いと思ったアングルより更に良いアングルを見付けることもある。


さて、全景ほか数点の撮影アングルを決定したら、いよいよ三脚を立てて撮影準備にはいる。

三脚の据え方としては、倒れる可能性の高い方向に1本脚を向けて立てる。
坂の場合は低い方に1本、平地の場合はレンズ方向に1本といった具合。

道路で撮影する場合は通行の邪魔にならないよう細心の注意を払う。
これを怠ると、通行人に三脚を蹴っ飛ばされて悲惨な結果が自分に返ってくる

当たり前のことだが、養生中の芝生など立ち入り禁止の所には絶対に立てないようにする。


三脚を立てたらカメラを据えるのだが、
愛用のEBONY SW45はMamiyaの旧型クイックシュー対応で便利だ。
一般のクイックシューはロックを解除するとポロリと取れてしまうものも多いが、
スライド式着脱で、ロックを解除しても外れないので安心だ。

大判カメラは三脚撮影が必須となるので、
大きめでしっかりしたスライド着脱式のクイックシューを使って
セッティングの手間を短縮すればよいだろう。

私が愛用する三脚は、「ベルボン カルマーニュG5400Ⅱ」。
1770gと軽量ながら同クラスの三脚の中では格段の安定感があり、
2kg程度の木製フィールドカメラなら十分に対応できる。
さらに、4段式なので短く収納することが出来、持ち運びに便利だ。

東京などの都市部を撮影するには、混雑した電車に乗ったり長時間歩くことがある。
一人の場合、この三脚は軽く小さいので都合がよい。


次回、『大判カメラ撮影当日・撮影編』に続く。
いよいよ撮影です。



表題写真は三脚にセッティングした大判カメラ

「カルマーニュG5400Ⅱ」
「Mamiyaの旧型クイックシュー」
「EBONY SW45」 

この構成なら三脚+カメラ+レンズ1本で約4kg程度。
35mm一眼レフ並みの重量で大判撮影が出来る。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿