可愛い三人の女の子が、
博多のかおり、
博多のかおり、
博多のかおり
と踊りながら歌うコマーシャル。
どういうかおり?
バラのかおり?
ジャスミンのかおり?
オーデコロンの
コマーシャルかと思ったが、
なんと、
ウィンナーの宣伝だった。
もちろん、ウィンナーにも
香りはあるが、
さわやかな香りではない。
かと言って、
別に悪い香りではない。
かと言って、
一つひとつ、つないで
花の首飾りのように、
ウィンナーの首飾りに
すると。
加橋かつみもびっくりして、
叫び声を上げるだろう。
私の首にかけないでください。
実は、数年前から、
歯茎がはれていた。
通院している歯医者さんから、
次のように言われました。
「大学病院に行って、
歯茎の腫れの部分が、
良性なのか悪性なのか
調べてみたらどうでしょう。」
「良性だと思いますけど。」
と言いました。
良性なのか?悪性なのか?
この悪性という言葉には、
もう一つ言葉があります。
それは、
ガンという言葉。
紹介状を書いてもらい、
大学病院の口腔外科へ。
そして、腫れの一部を取って
検査することになり、
一週間後に
検査結果がわかるとのこと。
そして一週間後、病院に行った。
なんとなく気分が重かった。
はたして、良性か悪性か。
受験生の合格か不合格か
という気分よりも、
重たい感じ。
ドキドキしながら、診察の時を待ち、
「診察室へ、どうぞ。」と言われ、
中に。
一週間前に診ていただいた先生が、
すぐに、言いました。
「良性です。」
「歯医者さんで処置ができますから、
お帰りください。」
私は内心、バンザイしていました。
よかったと思いました。
ところが、
また心配が発生しました。
いつも行っている歯医者さんで
果たして
処置はできるのだろうか?
まるで私は、
心配製造機だ。
その後、
腫れていた部分を
いつもの歯医者さんで、
取り除いてもらい、
気分の重たい感じも、
なくなりました。
中学生の頃
遠い昔のことなのに
今でもおぼえている。
科学部というクラブに入っていた。
夏休み
みんなでキャンプに行った。
その時、吉田拓郎はいなかった。
正直言って、
アウトドアは苦手。
蚊が飛んでくるし、
虫が出そうで、
できればホテルに泊まりたい。
山の上にテントを張りました。
その夜は、雨は降っていないのですが、
風がとても強かった。
大丈夫かな、このテント。
大丈夫ではありませんでした。
夜中、
寝ていると、
テントが吹き飛んだのです。
どうなることかと思いました。
ところが、満天の星空で、
星がいっぱい輝いていました。
いっしょにテントで寝ていた人たちも、
しばらく星を見ながら、
寝転がっていました。
星空に感動しました。
思わぬ出来事の中で、
自然の美しさに感動したのです
高校生の頃
バスで通学していた。
バスの中は、
誰もあまりしゃべらないので、
とても静かな空間だった。
三年生になった時、
よくしゃべる一年生が
同じバスに乗って来るようになった。
男のくせにしゃべりまくる。
その声を聞くたびに
うんざりしていた。
ある朝のこと、バスに乗ったら、
ちょうど一つ
席が空いていた。
これ幸いと思い座ったら、
隣りは、
例のしゃべり魔だった。
今更、席を立つわけもいかず、
黙って座っていたら、
案の定、話しかけてきた。
やばい!助けてくれ!
という思いだったが、
実に先輩を立てる、
丁寧な話しかただった。
受け答えをしているうちに、
相手の話しに入り込んでしまい、
通学のバスの中で、
自分も結構しゃべっていた。
あれれ。僕は、この後輩のことは、
嫌いなはずだったのに、
それ以来、バスで会うと、お互い、
よくしゃべるようになっていた。
通学も楽しくなった。
人は、
話してみないとわからないものだ。
第一印象で人を決めつけてしまうと、
損するような気がする。
正直な先生だった
私が小学校に入学する前、
私の記憶は定かでないが、
悪ガキで、
よくいたずらをしていたらしい。
母も気をつけていたが、
いつも、
見張っているわけにもいかなかった。
何度か、
近所からも苦情が寄せられた。
その私が、小学校に入学した。
それで、担任の先生に
前もって話しをしておこうと思い、
学校に行った。
「申し訳ありません。
息子のことでご相談にあがりました。
入学前、悪いことをよくしていたものですから。
それで、うちの息子はどうでしょうか?」
と聞くと、
「ええ、おっしゃる通り、悪いですよ。
おたくの子どもさんと、Aくんは、
手におえません。」
と、先生は、
とても正直におっしゃった。
大人になってからも、
その習慣が残っていて、
同僚と、ある家を訪問した。
その家の玄関のドアを開ける前に、
彼は、私に言った。
「この家には、恐ろしい犬がいるので
気をつけないといけない」と言った。
そして、彼が、
恐る恐るドアに手をかけ、
開けようとした瞬間、
私は思わず、後ろから、大きな声で、
ワンと言った。
すると同僚は、
驚いて座りこんでしまった。
あの小学校の担任の先生は、
とても、正直だった。