高校生の頃
バスで通学していた。
バスの中は、
誰もあまりしゃべらないので、
とても静かな空間だった。
三年生になった時、
よくしゃべる一年生が
同じバスに乗って来るようになった。
男のくせにしゃべりまくる。
その声を聞くたびに
うんざりしていた。
ある朝のこと、バスに乗ったら、
ちょうど一つ
席が空いていた。
これ幸いと思い座ったら、
隣りは、
例のしゃべり魔だった。
今更、席を立つわけもいかず、
黙って座っていたら、
案の定、話しかけてきた。
やばい!助けてくれ!
という思いだったが、
実に先輩を立てる、
丁寧な話しかただった。
受け答えをしているうちに、
相手の話しに入り込んでしまい、
通学のバスの中で、
自分も結構しゃべっていた。
あれれ。僕は、この後輩のことは、
嫌いなはずだったのに、
それ以来、バスで会うと、お互い、
よくしゃべるようになっていた。
通学も楽しくなった。
人は、
話してみないとわからないものだ。
第一印象で人を決めつけてしまうと、
損するような気がする。
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