冷蔵庫の中に大きなレモンが一つ。
「これ大きいね。」
妻が「スーパーで買った」と言った。
そういえば思い出した。
書店にレモンを置いた人。
ただものではない。
梶井基次郎。
国語の教科書で読んだが、
なんとなく覚えている。
最初、どうして、
これぐらいの出来事を、
小説にしているのだろうと思った。
出来事としては、
たいしたことないが、
想像力や表現力としては、
人を惹きつける魅力がある、
のかな。
出来事が、
スリルとサスペンスに富んでいたら、
純文学でなくなってしまう。
のかな
と勝手に思う。
それにしても檸檬という漢字は、
ただものではない。