うちのデジカメが壊れた。スタッフに言ったら、‘こんな200万画素のカメラ、もう古いですよ。いまじゃあ、400,500万画素。写真なんての600万画素の時代ですから’と。
冗談じゃないよ。人間の目なんて100万画素しかないんだよ。600万画素もあったら、うちの女房の毎日の口紅の色が違ってるって勘違いして隣の家にもぐりこんじゃうよ。あいまいさっていうのが人間や景色や物を判別する大切な要素なんだよ。
記憶もそうなんだ。毎日のことをすべて性格に記憶すると、昨日の自分にもどれない、昨日の職場に就けないよ。確かここにあったよね、風で動いたんだろう?とか推理それ自身が正確な事柄に近づく要素なんだ。
記憶するって海馬が発達しなけりゃだめなんだけど、海馬ってベテランのタクシードライバーがすごく発達してるらしい。やっぱ毎日の刺激なんだよ。
‘でも院長、最近言葉が出ないっすねえ。毎日患者さんや症例で刺激受けてるのにですよ’
馬鹿ゆってるんじゃないよ!私の海馬はちょっぴりワイン漬けだから、仕方ないよ。