くーみんが貸してくれた
「太郎が恋をする頃までには」。
「破戒」は昔読んだはずだけれど、
印象に残ってない。
もし、自分で選ぶなら、
きっとこの本は読んでいないと思う。
テレビの業界の人にあまり興味がないし
村崎太郎さんは知っていたけれど
栗原さんは知らなかった。
実は、最初はつまらなかった。
どうも私は、文章に好き嫌いがあるらしい。
書いてあることが鼻について、楽しく読めず・・・
貸してもらった本だから、
リタイヤせずに済んだのかも(笑)
でも、何度も泣いちゃった。。。
私が育った環境では意識したことがなかったけれど
この時代にも、まだ根強く生きている差別社会に
驚愕した。
体験していないから、知らなかったこと。
離れた所から見ている立場としては
「差別はおかしい」と臆せず言えるけれど
今日子の両親の気持ちは否定できない。
太郎の言う、「理屈でいえない感情」の存在を
認めたくない気持ちと裏腹に
悲しいことに、日本人の心には、
絶対に組み込まれていて
「卑怯だから」という言い訳と同じくらいに
まかり通るものなのだと、納得してしまう。
自分だけはそうあるまいと意固地になりながら・・。
差別をしてないと言う人ほど差別してる、と
目にすることがあるけれど
「差別」と、口にすることさえも憚られる自分は
きっと「差別」に対して敏感な性質なのかもしれない。
何が正しくて何が間違っているか。
判断しようとすればするほど
さほど正しくない自分を正しく主張するには
「避けて通る」が必要だったりする。
絶対に許せないこと。
その許せないことを、当事者でさえ、平気で口にする事実。
平凡に暮らしている人間には、まったく接点がなく
その事実さえ、思いもよらない。
とても痛い本だけど
読んでよかった。
「卑怯だ」とののしられることに
すでに侮辱を感じない今の時代なら
「理屈でいえない感情」も希薄になり
本当の意味で垣根がなくなる日も近いのかもしれない。
年寄りは偏屈で
自分が正しいと思い込んでる。
祖父母の時代の人たちが民族の違う人を
当然のように卑しむのを
「そういうもんだ」と思って聞きながすことが
出来ていた時代は、少し遠くなった気がする。
この本を、読んでよかったです。
栗原さん、ありがとう。
文章にイチャモンつけて、ゴメンね(笑)。
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るか
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ターニャん
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