そろばん業界の盛衰から学習塾業界が学ぶべきもの
我が国における今日の厳しい少子化現象を見ていれば、子どもの多さを繁栄の重要な要素としてきた業種が早晩困難な道を歩まなければならないであろうという推測は十分に成り立ちます。
そろばん業界の衰退は、電子計算機の普及や公文式の流布といった物理的・社会的環境変化が直接的な災いになったという見方が専ら行われていますが、実際は、その大集団・画一的・通り一遍の「隙間だらけの“ざる”で水を掬おうとするが如き」指導法が、会員個々の技を向上させることに重心を置いたものではなかったことと、そろばん業界自身がその特権的・閉鎖的体質に固執してきたことの結果、会員一人一人の能力や技能を向上させようとする良く方向への改革を停滞させてきたことが原因で、多くの顧客を失ってきたものと推測されます。
つまりそろばん業界の過去における衰退は、外的・環境的要因によると言うよりは、内部的・主観的要因によるものと指摘できるでしょう。
そこで、この教訓を基にして、学習塾業界の将来如何について考えてみたい。
学習塾業界は、過去のそろばん業界とは大きく異なり、集団式指導の弱点を補正する個別指導システムというものを開発してきており、今や生徒数をそれら二つの方式で分け合っているかのごとき状況になっています。
また、学習塾業界に於いては、特権的・閉鎖的な体質などは初めから全くなく、過酷な自由競争原理の下での事業者同士の切磋琢磨で、生徒指導の実績向上を達成してきたという経緯が明らかです。
従って、業界内部自身に業界が衰退するような要因を全く持っていないと言うべきでしょう。しかし、学習塾業界では、生徒となるべき対象の子どもの数自体が減少し続けているという大きな環境的阻害要因を突き付けられています。
即ち、業界が対象とする顧客層の絶対数の不足進行という、極めて根本的対策が取りにくい厄介な課題に直面しているわけで、この課題は、単に学習塾業界一人の努力では到底解決しえない大問題です。
人口減の問題は、国家・自治体ですら容易には解決できない問題となって、将来の日本の運命を大きく左右しそうです。
しかし、ここに、一つのヒントがあります。
それは、そろばん業界が、かつての8割もの顧客を失ったと言われる今日において、再生のために必死に行っている努力です。
一つは、そろばん練習の従来からのメリットとしての集中力・忍耐力・計算力強化に加え、新たなるメリットの発見と強調として、暗算手法の洗練化であり高度化ですが、その暗算手法や能力向上の効果として、記憶力の顕著な向上も発見・確認されています。
もう一つは、東南アジア、中東、南北アメリカ・・・など、正に世界各国へのそろばん技術の輸出努力です。
こうしたそろばん業界の懸命の努力は、各方面で成功しつつあると見ています。
その良き傾向の根本を支えているのは、やはりそろばん練習による計算力・思考力・注意力強化などに見る知能開発効果の大きさでしょう。
現代では、これらの知能開発効果が幼児期からの訓練でさらに大きくなることが知られ、遂には、早期知能開発というキャッチフレーズで盛んに世間の耳目を集めるようになっています。
そこで、岡村ゼミナールでは、こうした時代の動きをつぶさに見て、周到な準備を経て、今春より早期知能開発志向ACE Kids Academy:珠算・習字・英会話・速読講座を開講しました。
今日におけるその順調な推移と成果を踏まえた上で、全国の学習塾の皆さんに、是非とも当塾の後に続かれるようにとお薦めしています。これが、ACE Kids Academyフランチャイズチェーン展開の趣旨になります。
しかし、本題は、学習塾自体の生き残り戦略・戦術の模索と構築ですので、ここでまた一つのヒントを示唆します。
それは、究極的には、諸外国へのそろばん技能教育の輸出や教室展開ですが、その前に注目・準備するべきことは、国内において外国人学生[留学生]を迎え入れて、珠算教育やわが国が世界に誇る先進的レベルにあるロボット科学教育を行い、彼らに職業技術を身に着けさせ、帰国してそれらの教育分野ないしは起業に携わるチャンスを付与するという教育形態こそが「急務」である事実です。
現在すでに、長崎の学校法人岩永学園グループ・代表・岩永守弘先生が、この留学生向け教育路線が秘めている大きな可能性に着眼されて、平成28年度開校の通信制高校において採用されるご意向を示されています。
以上の通りですので、今後とも岩永学園や岡村ゼミナールの進路や動向に対しまして、深いご理解と厚いご支援とをなにとぞよろしくお願いします。
平成27年5月6日 水曜日
岡村寛三郎(岡村ゼミナール(株) 会長)
我が国における今日の厳しい少子化現象を見ていれば、子どもの多さを繁栄の重要な要素としてきた業種が早晩困難な道を歩まなければならないであろうという推測は十分に成り立ちます。
そろばん業界の衰退は、電子計算機の普及や公文式の流布といった物理的・社会的環境変化が直接的な災いになったという見方が専ら行われていますが、実際は、その大集団・画一的・通り一遍の「隙間だらけの“ざる”で水を掬おうとするが如き」指導法が、会員個々の技を向上させることに重心を置いたものではなかったことと、そろばん業界自身がその特権的・閉鎖的体質に固執してきたことの結果、会員一人一人の能力や技能を向上させようとする良く方向への改革を停滞させてきたことが原因で、多くの顧客を失ってきたものと推測されます。
つまりそろばん業界の過去における衰退は、外的・環境的要因によると言うよりは、内部的・主観的要因によるものと指摘できるでしょう。
そこで、この教訓を基にして、学習塾業界の将来如何について考えてみたい。
学習塾業界は、過去のそろばん業界とは大きく異なり、集団式指導の弱点を補正する個別指導システムというものを開発してきており、今や生徒数をそれら二つの方式で分け合っているかのごとき状況になっています。
また、学習塾業界に於いては、特権的・閉鎖的な体質などは初めから全くなく、過酷な自由競争原理の下での事業者同士の切磋琢磨で、生徒指導の実績向上を達成してきたという経緯が明らかです。
従って、業界内部自身に業界が衰退するような要因を全く持っていないと言うべきでしょう。しかし、学習塾業界では、生徒となるべき対象の子どもの数自体が減少し続けているという大きな環境的阻害要因を突き付けられています。
即ち、業界が対象とする顧客層の絶対数の不足進行という、極めて根本的対策が取りにくい厄介な課題に直面しているわけで、この課題は、単に学習塾業界一人の努力では到底解決しえない大問題です。
人口減の問題は、国家・自治体ですら容易には解決できない問題となって、将来の日本の運命を大きく左右しそうです。
しかし、ここに、一つのヒントがあります。
それは、そろばん業界が、かつての8割もの顧客を失ったと言われる今日において、再生のために必死に行っている努力です。
一つは、そろばん練習の従来からのメリットとしての集中力・忍耐力・計算力強化に加え、新たなるメリットの発見と強調として、暗算手法の洗練化であり高度化ですが、その暗算手法や能力向上の効果として、記憶力の顕著な向上も発見・確認されています。
もう一つは、東南アジア、中東、南北アメリカ・・・など、正に世界各国へのそろばん技術の輸出努力です。
こうしたそろばん業界の懸命の努力は、各方面で成功しつつあると見ています。
その良き傾向の根本を支えているのは、やはりそろばん練習による計算力・思考力・注意力強化などに見る知能開発効果の大きさでしょう。
現代では、これらの知能開発効果が幼児期からの訓練でさらに大きくなることが知られ、遂には、早期知能開発というキャッチフレーズで盛んに世間の耳目を集めるようになっています。
そこで、岡村ゼミナールでは、こうした時代の動きをつぶさに見て、周到な準備を経て、今春より早期知能開発志向ACE Kids Academy:珠算・習字・英会話・速読講座を開講しました。
今日におけるその順調な推移と成果を踏まえた上で、全国の学習塾の皆さんに、是非とも当塾の後に続かれるようにとお薦めしています。これが、ACE Kids Academyフランチャイズチェーン展開の趣旨になります。
しかし、本題は、学習塾自体の生き残り戦略・戦術の模索と構築ですので、ここでまた一つのヒントを示唆します。
それは、究極的には、諸外国へのそろばん技能教育の輸出や教室展開ですが、その前に注目・準備するべきことは、国内において外国人学生[留学生]を迎え入れて、珠算教育やわが国が世界に誇る先進的レベルにあるロボット科学教育を行い、彼らに職業技術を身に着けさせ、帰国してそれらの教育分野ないしは起業に携わるチャンスを付与するという教育形態こそが「急務」である事実です。
現在すでに、長崎の学校法人岩永学園グループ・代表・岩永守弘先生が、この留学生向け教育路線が秘めている大きな可能性に着眼されて、平成28年度開校の通信制高校において採用されるご意向を示されています。
以上の通りですので、今後とも岩永学園や岡村ゼミナールの進路や動向に対しまして、深いご理解と厚いご支援とをなにとぞよろしくお願いします。
平成27年5月6日 水曜日
岡村寛三郎(岡村ゼミナール(株) 会長)