日本の人口減と需要減の連動に立ち向かう戦略・戦術
皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、下記の内閣府統計に於いて見られるとおりに今後も一層深刻化する人口減の現象が、ほとんどの分野での国内需要の減退結果となってくることが予想されています。
この時、どのような対応を企業として為すべきかという課題は、どの企業人にとっても正に喫緊かつ最大に重要な死活問題だと言えます。
このことは、証券会社系の有力総合研究所の調査報告書において、東京オリンピック開催の2020年までの僅かな期間内に、根本的改革を終えておく必要があると指摘されていることからも推測されます。
そこで、我々のような若者対象の学習塾が今後50年間にわたっての生き残り永続路線を追求するなら、どのような対応策が可能でしょうか、また必要でしょうか?
我々学習塾は、中学・高校・大学への進学用受験対策を中心に生徒たちに学習指導を行うということで、かれこれ40年~50年も事業運営してきました。
しかし、その顧客となるべき生徒の数が年々減少し、逆に大学の収容学生数が増加している今既に、学習塾を取り巻く事業環境は芳しくはありません。今後はさらにその逆風が強まります。
そこで、顧客数を確保・増加させる方策を考えねばならず、その時、いわゆる「現事業の川上・川下分野に属している新規の顧客層を開拓する」か、事業経験などを活かし易い隣接分野に属する顧客を開拓するかという縦横・二方向の対策が浮かび上がります。
これらの手法は、いずれも、現在の主力事業の関連分野故に、資金や技術上の大きなリスクを背負わずに開拓・発展させられることが利点と言えるでしょう。
そういった観点から、当塾では、試験的に、低年齢児童を対象にした「学童保育」分野をターゲットにして今年の6月に開校しましたが、新鋭設備設置の投資や運営資金上の負担が大きく、これらを短期間で採算軌道に乗せることは容易ではないことが分かりました。
そこで、さらに検討を加え、既存の設備を利用することによって設備資金や運営資金に大きな出費が不要で、しかも本業である学習塾に、生徒の学力向上面や生徒数確保の上でもプラス効果が大いに見込まれる極めて効率的な教育指導分野に進出することにしたのです。
即ち、今春において山田未知之様の「私塾界」主催のセミナーで、珠算・習字・英会話講座を運営しておられる「習字の筆っこ」(R)FC本部・代表・高木悦夫先生のご講演に接し、その事業企画と実行力の素晴らしさに深く感銘し、早速ご指導を賜ることにしたのです。
とはいえ、高木先生の塾は、私どもの事業エリアの播州・姫路からは非常に遠い岐阜県可児市にありますので、片道数時間もの長距離運転を苦にしないゴルフ好きの若い仲間を誘って、岐阜県瑞浪市のゴルフ場でのラウンドの翌日に高木先生の塾を訪問する計画を立てました。
計画実行は8月下旬になりましたが、無事に近隣の鬼岩温泉での夕食会の席で高木先生にお出会いでき、非常にご親切でかつ詳細な「起業⇒⇒⇒事業推進⇒⇒⇒今日の情況」について率直なお話しをいただき、珠算・習字・英会話講座同時運営の実益に充分な納得を得ました。
それからは、とりわけ重要な珠算塾開設に向け、徹底的にそれまでの人脈を活用し、業界の様子を調査しました。その結果、非常に重要な結論を得ました。それは、一点に絞れば、既存の珠算業界に君臨する各種の全国団体の同意や許可などは全く得ずに、独立的に珠算塾を開設可能であるということでした。
この職業選択・営業自由の原則は、憲法上でも保障された基本的人権の一つで、他の種類の業界では当たり前のことですが、珠算業界では、いまだにその人権を尊重しない風習が残り、名だたる全国団体が、恥ずかしくも他業種・他企業からの参入に反対するという不合理な体質を温存してきているのです。
珠算業界それ自体が、その古い習わしのために自縄自縛に陥り、他の業界や企業との切磋琢磨を怠り、結果的にそろばん以外の他の手法を開発した計算教室に圧倒されて衰退していったのです。
このことは、非常に重要な意味を持っています。
即ち、そろばん業界はその保守性と閉鎖性の故に業界としては廃れても、世間の人たちは、その生活面でもビジネス面でも、高い計算能力の必要性・有用性を十分に認識し、それを養うためなら、そろばん手法にこだわらず,紙上での計算練習法で(例え、それが文章題や図形問題には応用できない欠陥が指摘されていても)とにかく計算能力の向上に役立つと見なされれば、飛びついて行ったのです。
率直に言えば、計算能力の有用性や必要性は、生活万般において絶対的とも思われる程に重要であることが、寺子屋がもてはやされた数百年の歴史において、子どもの習い事として「読み・書き・そろばん」という象徴的な言葉で世間では明瞭に認識されてきているのです。
ですから、もし今日、計算技能を高める「そろばん・暗算手法」が、早期知的能力開発手法としても最適であるとして再認識されてくるならば、子どもたちの習い事の一つとして再び「不可欠」なものとして人々の意識に登場してくることになるでしょう。
他方、今日でも、この習いごとの一角に習字が登場してくるのは、何よりも習字や書道が、日本の歴史と文化を象徴する漢字を対象にした修練だからです。
漢字は表意文字であって、例え一字であっても、森羅万象の一端を象徴的に表す能力を持っていて、表音文字のアルファベットとはその性格を決定的に異にしています。
次いで、英会話の必要性や有用性は、国や国民同士の交流があらゆる分野で広がり深まっていく今日的国際社会では、もう多言を要しないでしょう。
コンピューターによる情報取得や交流の生活全般への普及が、英語や英会話の重要性を、もはや頭の中で考える次元を抜け出し、肌で感じるほどの次元にまでなっていることを日々痛感させます。
以上、そろばん・習字・英会話の三種の今日的重要性・必要性・有用性を述べてきましたが、ここにおいて、これらの三種の技能の修練を子供たち向けの教育プログラムに組み込み、ACE Kids Academyという一個の塾でバランスを取りながら指導していこうとしているのが、岡村ゼミナールが2015年春から始める子供向け教育の姿です。
2014年の師走も残すところ僅かな時間となり、正に2015年の正月・日の出を迎えようとしている今、岡村ゼミナールの行方を大きく占うACE Kids Academy開設を控え、職員一同が決然と未来に立ち向かっていく決意と行動力を示すことを誓いつつ、同時に「皆様の来る年におけるご多幸とご健勝」をお祈りし、この筆を措かせていただきます。
平成26年12月29日 月曜日
岡村ゼミナール(株) 会長 岡村寛三郎
〒670-0877姫路市北八代1丁目7番2号、℡079-284-0253、 Fax.079-284-1427
ACE Kids Academy:フリーダイヤル0120-121213、㈹電話079-284-2100
≪参考資料≫
≪9,000万人を割り込む総人口≫
我が国の総人口は、今後、長期の人口減少過程に入り、平成38(2026)年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、60(2048)年には1億人を割って9,913万人となり、72(2060)年には8,674万人になると推計されている