2009年3月1日、午前7時半頃。ロンドン、セント・ポール大聖堂近くのユースホステル、とある5人部屋の二段ベッドの上段にて。ロンドン4日目、そしてプレミアリーグ観戦2試合目の朝を迎えた。準備してこの日も出発!
↑ 朝のセント・ポール大聖堂近く。この日は曇り空。
試合は12時半から。(昼食食べてから行くか、試合終わってから食べるか、微妙な時間だな・・・)。それまでは、リヴァプール・ストリートにある「スピタルフィールズ・マーケット」なるものをのぞいてみることにした。
↑ “Liverpool Street”
リヴァプール・ストリート駅からちょっと歩いたところの建物に、衣類、CD、絵画、アクセサリーなどなど、たくさんの店が並んでいた。・・・が、まだ時間が早いのか、ほとんどの店は準備中のようだった。
↑ 準備中のスピタルフィールズ・マーケット
思ったより閑散としていた。そして、「よし、もうスタジアムに行ってしまおう!」と決めた。
リヴァプール・ストリート駅に戻る途中、朝っぱらからパブでワーワー盛り上がっている集団に遭遇。どうやらトットナムのサポーターの集団のよう。この日、トットナムはカーリングカップの決勝戦(vs マンチェスター・ユナイテッド)の日だった。カップ戦の決勝で相手がマンUだったら、そりゃあ、気合入るよなあ。(ちなみにトットナムはPKの末惜しくも負けました。)
↑ 朝っぱらから盛り上がるトットナムサポーター
また地下鉄に乗って、ウエストハムのホームスタジアム「アプトンパーク」最寄りの、その名も “Uptown Park” 駅へ。電車の中にはユニフォームを着込んだハマーズ(ウエストハムの愛称)サポーターや水色のユニフォームを着たマンCサポーターがたくさん。この風景好きだなあ。
30分ほどで “Uptown Park” に到着。降りてみて、「ロンドン中心部とは、街の雰囲気がちょっと違う」と感じた。辺りはレンガ造りの古い建物だらけ。駅舎も汚れたレンガ造りの建物。
↑“Uptown Park”駅舎
↑ レンガ造りの古そうな建物が続く
「地下鉄に30分乗っただけでこんなに街の雰囲気が変わるのか。ちょっと治安が悪そう・・・。」なんて思いながらスタジアムへ向かって歩いていたら、さっそくウエストハムグッズを売る屋台を発見!スカーフを迷わず購入。屋台のおじさんに「スカーフください」と言うと、「ホラヨ」とばかりにスカーフを首に巻いてくれた。
↑ グッズを売る屋台。
そして、スタジアムに到着!
↑ アプトンパーク!
周りの建物は古いのにスタジアムだけはやたら近代的。スタジアムの前は、「今日の試合どんなんなるかな~」と談笑する人々でわいわい。みんな試合直前になるまでスタンドに入らないみたい。これがイングランド流か。
↑ スタジアム前で談笑する人々
そして、またせまーいゲートをくぐって入場!前日の教訓を生かして、「おーいお茶」はユースホステルで留守番。
↑ せまーい入場ゲート
前日のスタンフォードブリッジは「きれいで近代的なスタジアム」だったけど、アプトンパークはどこか古めかしい雰囲気の漂うこじんまりしたスタジアム。すばらしい~。
↑ アプトンパーク!
↑ 選手・監督が座るベンチ
試合開始30分ほど前になると、まずマンチェスター・シティの選手が出てきた。マンCは無尽蔵のオイルマネーでかき集めた有名な選手だらけ。うお、ロビーニョがいる・・・。アイルランド代表、その名もアイルランドもいる・・・。去年ハンブルクで見たデ・ヨングもいる・・・。
↑ ロビーニョ
続いてウエストハム・ユナイテッドの選手が出てきて、スタジアムが拍手に包まれた。「せっかく観戦するんだから!」とウエストハム主力選手の名前、顔、ポジションはしっかり予習済み。でもこの熊のマスコットは不意打ちだった。
↑ ウエストハムのマスコット
・・・。マスコットの質は日本の方が上な気がする。普通の熊やん・・・。サンフレッチェの方がかっこいい。
練習が終わると、観客がぞくぞくとスタンド内に入ってきて一気に満席に。そして・・・選手入場と同時に、楽しみにしていた「あの歌」が場内に鳴り響いた。
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・説明!「あの歌」とは
ヨーロッパのクラブチームの多くには「チームの歌(アンセム)」があって、キックオフ直前にみんなでそのアンセムを歌って盛り上がります。「アンセムを地元のファンと一緒に歌ったら楽しそう!」と、観戦予定のチームのアンセムを全部覚えて旅立ちました。アンセムはチームを奮い立たせるような、元気で盛り上がりそうな歌が多いのですが・・・ウエストハムのアンセムだけはちょっとまぬけなメロディーで始まり、
ウエストハムのアンセム“I'm forever blowing bubble”
「僕の夢のように、シャボン玉はすぐに消えてなくなってしまう。」
「幸せはいつもどこかに隠れてしまう。」
「それでも僕はいつまでもシャボン玉を飛ばし続けるよ」
というような、なにやら悲しい歌で、「ウエストハムなんでこの歌チョイス?」、「ほんとにこの歌で盛り上がるの?」、「ウエストハム負けそう・・・」とすごく気になっていました。
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出だしのちょっとまぬけなメロディーが流れると、スタジアムの観客が「来たか!」とばかりに反応して総立ちになり、両手を掲げて
“I’m forever blowing bubbles !!”(いつまでもシャボン玉飛ばすぜ!!)
と大合唱!!これは鳥肌モノだった!
↑ こんな感じ。
↑ アンセムと共に選手入場
そしていよいよキックオフ!!
↑ キックオフ!
前日のチェルシーサポーターは静かに見守るような観戦スタイルだったけど、ウエストハムサポーターは熱い!場内が歌と手拍子に包まれて、とてもいい雰囲気で試合は進んでいった。
目立っていたのはイングランド代表のFWカールトン・コール。191cmの長身ストライカーで、高さと長い足を生かして前線でボールを収め、上がってきた味方にパスを出すポストプレイヤー的な役割も果たしていた。
↑ 試合中の一コマ① 攻めるウエストハムのイルンガ
前半半ば、ウエストハムにビッグチャンスが。FWディ・ミケーレが一人でドリブル突破して抜け出しシュート!ボールはゴールポストをかすめるようにゴール裏のスタンドへ飛び込んでいった。
“Oh!!!” (観客の落胆の声)
これは惜しかった!ディミケーレは体のキレがすばらしく、相手をうまくかわしてシュート、パスを出す場面がたくさん見られた。
試合は圧倒的ウエストハムペース。マンCは攻撃がぜんぜん機能していないようだった。ロビーニョもぜんぜん目立っていなかった。
↑ 試合中の1コマ② ウエストハムのコーナーキック
前半終了間際、なんでもないところでウエストハムのスイス代表ベーラミが倒れて激しく痛がり始めた。ベーラミはこのまま負傷交代。ベーラミが担架で運ばれるとき観客は総立ちになり、姿が見えなくなるまで拍手が続いた。思わぬ出来事だったけど、ウエストハムサポーター温かいなあと感じた。
前半はウエストハムが圧倒的に攻めるも、決めきれず0-0のまま終了。とにかく、雰囲気のいいスタジアムだなあと感じた。
↑ ハーフタイムを終えて出てくる選手たち
両チームの選手の入場と共に、またあの「まぬけなメロディー」が場内に鳴り響き、
“I’m forever blowing bubbles !!”
を大合唱!そして後半開始。ハーフタイムに渇を入れられたのか、後半はマンCもチャンスを作る場面が見られるようになってきた。
↑ 試合中の1コマ③ 攻めるマンCのロビーニョ
両者チャンスを作るもなかなか決めきれず、試合は0-0のまま歯がゆい展開で進んでいった。周りの観客もフラストレーションが溜まってきたのか、ちょっと不可解な判定があると立ち上がって手を振り回して「オイオイオイオイ!!!」と大声で激しく抗議。(なんて言っているかはわからなかった)
↑ 激しく抗議するファン
スタジアムは徐々にヒートアップし、両ゴール裏のウエストハムサポーターが一体となって、
“I’m forever blowing bubbles !!”
と大合唱!ものすごい雰囲気。地元のチームを心から応援する雰囲気に感動した。
そんな中後半26分。攻め込んだウエストハムが遠目からミドルシュート!これをキーパーが弾き、
“Oh!!!“(ファンの落胆の声)
となるも、こぼれた浮き球をウエストハムMFコリソンが冷静に押し込んでついにゴール!!
“Yeaaaaaaaaaaaaah!!!!!!!!!”
1回目のミドルシュートのときに周りがみんな立ち上がり、コリソンが決めた瞬間、飛び上がって喜びが爆発!!写真撮るのも忘れるほどの大興奮だった。
↑ 拍手を送るファン
この先制点は、決めきれないマンCにとって大きい1点のようだった。マンCは攻めてもシュートには結びつかず。有名な選手なかりなのに・・・。機能しないマンCの攻撃が続いたとき、ウエストハムサポーターから
“Waste money ! Waste money !!” (やーい、お金の無駄遣い!)
とマンCを野次るチャントが始まった(笑)。
特に誰が指示するわけでもなく、スタンドから自然にチャントが湧き上がるから不思議。
↑ 試合中の1コマ④ ウエストハムのコーナーキック
後半の終盤にマンCがキーパーと一対一のチャンスを迎えるも、シュートはゴールを大きく外れた。「イェ~イ」と嫌みったらしくたくさんのウエストハムサポーターと共に喜んだ。
そして1-0のまま試合終了!
“Yeaaaaaaaah!!!!!!!!!”
ウエストハム勝利!
↑ みんな拍手!選手も拍手!
またまたあの「まぬけなメロディー」が鳴り響いて、 “I’m forever blowing bubbles !!” の大合唱が始まり、スタジアムは
“United! United!! United!!!”
とユナイテッドコールに包まれた。
ほんとに、いい雰囲気のスタジアムだった。ファンが心からチームを応援している雰囲気が最高だった。
↑ すばらしい試合をありがとう!
帰りにスタジアム内にあるファンショップに行くと、オフィシャルユニフォームが20ポンド(約2800円)で安売りしていた。「これは買うしかない!」と即決。点を入れた“31 COLLISON”のネームを入れてもらい(しかしネームに15ポンドもかかった笑)、大満足で大勢のファンと共にスタジアムを後にした。
この日からセント・ポールのユースホステルから、ロンドン中心部にあるYHAロンドン・セントラルというユースホステルに宿替え。いろんなユースホステルに泊まってみたかったから。
というわけで、セント・ポールのユースホステルに預けたスーツケースを回収し、ロンドン北部にあるYHAロンドン・セントラルに向かった。
YHAロンドン・セントラルは最近できたばかりの大型ユースホステルで、とてもきれい。
↑ YHAロンドン・セントラルの入り口
システムも近代的。チップ入りのカードが部屋の鍵代わりになっていた。今度は6人部屋。2段ベッドが3つ設置されている部屋だった。セント・ポールと違い、「普通の2段ベッド」だった。
↑ 部屋はこんな感じ。
荷物を置いて身軽になったところで外へ。近くの “Baker Street” あたりを散策することにした。
↑“Bakerstreet” 周辺①
いかにもロンドン!なレンガ造りの建物が続く道をブラブラ。
↑ “Bakerstreet” 周辺②
写真を撮りながら、思うがまま散策を楽しんでいたら・・・ここでトラブル発生!デジカメに異変が!何を撮っても画像が真っ白になってしまう事態発生。いろいろいじったり、振ったり叩いたりしても変わらず(理系大学院生あるまじき行為)。むむむ・・・。
とりあえず電池を抜いて、少し放置しておくことにした。時刻は6時過ぎ。そろそろ夕食の時間だ、というわけでチョイスしたのはまたまた “EAT”!前日他の人が食べていたスープがおいしそうで気になってたんだよねー。
注文して、席についてデジカメを起動させたら・・・写真撮れた!・・・が、画像に横線がたくさん入ってしまう。色もなんだか薄いし。あっれぇ?
↑ 夕食のサンドイッチとスープ デジカメどうした・・・
注目のスープは、スープというよりシチューだった。クリームシチューだ。たくさん具が入っていて濃厚。うまい。サンドイッチとよく合う。腹がふくれるボリュームだった。“EAT”のサンドイッチはどれ選んでもはずれがない。
食べ終わって“EAT” を出ると、すっかり日が暮れていた。よし、ライトアップされたタワーブリッジを見に行くことにしよう!と運良く来た “Tower Bridge” 行きの2階建てバスに乗ってタワーブリッジへ向かった。
日曜の夜だからだろうか、ロンドン塔周辺に観光客はほとんどいなかった。閑散としていた。
ロンドン塔を通り過ぎると、ライトアップされたタワーブリッジの姿が!これは写真に収めておかないと!とデジカメを起動させて夜景モードにすると、なぜかきれいに撮れた。
↑夜のタワーブリッジ
続けて中途半端にライトアップされたロンドン塔の写真を撮ってみたけど、また横線発生。やっぱりデジカメは調子が悪いようだった。
↑ 夜のロンドン塔。デジカメどうした~。
じっくりタワーブリッジを眺めて、そろそろユースホステルに戻ることにした。タワーブリッジ近くの地下鉄駅に行くと・・・なんと駅閉鎖!どうも日曜はタワーブリッジ周辺の地下鉄は休みらしい。なるほど、人通りが少ないわけだ・・・。
仕方なくバス乗り場へ。バスはやっぱりどこに向かうのかがよくわからない。待っていても、聞いたこともない目的地を掲げるバスしかやってこないので、適当に飛び乗ってみた。ら、なんとか “Aldgate” という地下鉄駅にたどり着いた。一安心。
大回りしてなんとかユースホステルに戻ってきた。時刻は9時過ぎ。部屋に入ると、なんとすでに消灯!3人がぐーぐー寝ていた。早!ベッド備え付けの小さいライトを頼りに、こっそりシャワーを浴び、こっそり歯を磨き、こっそり今日の感動をメモ帳に書きなぐった。
翌日はプレミアリーグ休みなので一日ロンドン観光し、せっかくだからミュージカルなるものを見てみるか!と計画していた。
(4日目おわり)
~この日使ったお金(1ポンド=約140円)~
・ ユース2泊分 39ポンド
・ ウエストハムのスカーフ 8ポンド
・ マッチデイプログラム 3ポンド
・ スタジアムで買ったコーラ 1.9ポンド
・ ウエストハムのユニフォーム 35ポンド
・ ウエストハムのパーカー 17ポンド
・ ベイカーストリートで食べたソーセージパイ 1.4ポンド
・ 夕食“EAT” 5ポンド
計107ポンド
つづく~。
次は来週末に載せる予定です。(たぶん)
よかったらまたのぞきに来て下さい。