TBS系の深夜ドラマ枠で放映され、DVD化された「ディアスポリス-異邦警察-」を観賞。
すぎむらしんいちのコミック原作のドラマは、密入国者が住む裏都庁を舞台に活躍する松田翔太演じる署長、刑事の浜野謙太、助役に柳沢慎吾、そして裏都知事に猪木アリ戦のコーデュネイトなど伝説のプロデューサーとして有名な康芳夫など異色のキャストが集結する奇抜で、オシャレなハードボイルド作品です。
リチャード・ウーは、浦沢直樹作品でタッグを組む長崎尚志の別ペンネーム。脚本家の時代観は、まさに70年代から80年代の日本の都会派ドラマの匂いがプンプンとする作品です。
すぎむらしんいち自身が、探偵物語の松田優作のイメージで主人公を描き、原作では、アフロ頭の主人公ですが、ドラマでは、翔太自身が熱望するなか、キャラクター像を自分なりに昇華して原作を知らなくても楽しめます。
異邦人的な町作りと異文化が融合した日常。ドラマの持つ色彩感といい、かつての傷だらけの天使や探偵物語、私立探偵濱マイクなどのハードボイルドドラマの空気感につながっていて、新鮮さとノスタルジックな世界が十二分に楽しめるドラマです。
9月3日には劇場版「ディアスポリス」も封切り。松田翔太によって、新たなハードボイルド映画の秀作が生まれそうです。