今回の美術展レビューは、刈谷市美術館で開催されている「宇野亞喜良展」です。
日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナーのひとり宇野亞喜良(うのあきら)1934年に愛知県で生まれた御年90才になるレジェンドデザイナーです。宇野さんの妖艶かつ愛らしい女性像を目にした方も多いと思いますが、今やコンピューターグラフィック全盛の時代にあって、1960年代から1970年代のイラスト、グラフィックの世界は、手描き作品が多く当時のデザイナーは個性的で卓越した技術を持っていました。
なかでの宇野氏のイラストレーションは常に進化をし、その時代の流行の先端にマッチした斬新な作品ばかりです。そんな氏の片鱗を感じる幼少時代から作品から現在にいたる作品が一堂に介する全貌展が地元で開催されることはとても誇らしいです。
また、その作品は多岐にわたり、イラストレーションの原画や、ポスター、絵本、書籍、アニメーション映画に絵画や舞台美術など、どの作品も魅力的で宇野カラーがにじみ出ています。デザイナーを志す若者たちやファッションやカルチャー好きの方にも十二分に楽しめる展覧会となっています。
11月3日の文化の日には20時まで開館を延長してナイト☆ミュージアムが開館されますので、秋の夜長にふさわしい宇野亞喜良の世界を楽しんでみてはどうでしょう。