今回の映画レビューは、ネットフリックスで配信の2020年公開作品で三池崇史監督、窪田正孝主演のバイオレンス恋愛ドラマ「初恋」です。
今回の作品2019年にカンヌやトロントなどの数多くの映画祭で絶賛され、2020年に逆輸入のかたちで公開されたのですが、見逃していたことを今頃になって思い出しました。ネットフリックスさん感謝です。三池監督作品は好きな方ですが、バイオレンスが先行していて、おそらくは恋愛ものの記憶はありません。で、タイトルが初恋。主演が窪田正孝。どんな作品に仕上がっているのか興味津々でしたが、期待以上の三池流恋愛ドラマでした。
物語は、天涯孤独の天才ボクサー葛城レオ。格下相手にダウン負けを屈し更に脳腫瘍が見つかり余命宣告を受けます。失意の中で路上で助けを求める少女モニカを助けたことから、刑事とヤクザ、チャイニーズマフィアが絡む抗争に巻き込まれてしまいます。
レオとモニカの逃走劇が、大森演じる刑事と組織を裏切るヤクザ演じる染谷、さらに裏切りの犠牲となった恋人の恨みを晴らすベッキー演じるジュリ、さらにマフィアとの抗争で服役、出所した内野聖陽演じるヤクザ幹部とそれぞれの思惑が複雑に絡んで随所にワクワク感が持続、さらに三池監督オリジナルのバイオレンスが爆発します。染谷のコミカルかつ残忍な演技とベッキーのイメージを180度転換させる獰猛で狂気に満ちた姿は圧巻です。他にも滝藤賢一、ベンガルなどチョイ役的存在ながら、物語の鍵を握る配役で監督らしい空気感が漂ってました。
こんなにヤバイ映画を作るなんて、さすが三池監督。そして体を張って挑んだ俳優陣たちに拍手喝采です。観て損なしの作品ですので是非鑑賞ください。