映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。亡命作家のベストセラー小説の映画化「悪童日記」です。
第二次世界大戦下のハンガリー。両親と離れ、母方の祖母の元で暮らすこととなった双子の少年の壮絶な生活を描き、評論家筋には高い評価を得た作品です。
ナチス・ドイツの占領下に置かれたハンガリーの田舎町で、大人たちの非情な世界にさらされながら、自らも律し、自らのルールで冷酷に生き抜いた双子の少年。弱さを押し殺したような眼、無感情のまま生きるための行動を模索する逞しさが、ひしひしと伝わってきます。
強制収容所や空爆、少年たちにより下される処刑。残忍さを視覚的に見せることなく、瞬間的に想像をかきたてるシーンの連続にかえって恐怖が増幅されるました。また、言葉と絵で認められる日記は、詩的なアートを感じ彼らの心模様が浮き彫りとなり非情な世界が美しくも感じられました。
そして常に手をとりお互いを叱咤しながら生き抜いていった二人のラストの決断に新しい時代への自立を感じ感動的でもある作品でした。