映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。よしもとばななの小説を気鋭の写真家により映像化された作品「白河夜船」です。
安藤サクラ演じる寺子は、一日を眠りながら、植物人間となった妻を持つ井浦新演じる岩永の電話を待つ日々を過ごしている。寺子には、添い寝屋という仕事をもつ親友しおりがいたが、親友の突然の死と不倫の寂しさと不安でさいなまている生活を送っていた。そんな生活の中で寺子の眠りは深まっていく。。。
しおりとの同棲生活と岩永との愛人生活の日々。過去と現在が交錯しながら進む映像は静けさと気だるさを持ち、昼と夜が交互に展開されるが決してマンネリを与えない。その奇妙な空気は、安藤サクラの体全体から発せられていて、その言葉と姿がとても魅力的だからだと思います。朗読劇のように語られる小説の言葉も、この作品の詩的情景と大いに共感できました。
安藤サクラと井浦新による共演。よしもとばななの小説。若木信吾の映像と監督と言う三様の才能が重なり合う静かな輝きをます作品です。