映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。実際に起こった幼女暴行事件を軸に展開する感動作。「ソウォン/願い」です。
アジア映画の中で、韓国映画ほど自らの社会にある暗部をさらけ出す作品はないと思ってます。過去にも数多くの犯罪を取り上げた韓国。今回の作品は、さらに衝撃は大きい作品でした。また、涙が拭い切れないほどの感動を与える作品でした。
物語は、2008年に起きた幼女暴行事件。登校中に性犯罪歴のある男が8歳の少女ソウォンを暴行して瀕死の重傷を負わせると言う残忍な犯行。しかも、少女自らが通報し証言すると言う衝撃的な事件です。しかも、裁判の経過と家族の再生を同時に描く形で進んでいきます。そして、結審を迎える時に、思いもかけない結末が待ち受けています。
事件のトラウマで、男性である父を避けるようになったソウォンに、好きな着ぐるみのキャラクターで娘の閉ざされた心を開こうとする父。自分や社会を憎みながら、身ごもった体で献身的な看護を続ける母。自らの深い傷を持ち、夫婦に様々なアドバイスをおくる心理療法士の女性。また、会社の同僚や娘の同級生たちが、ソウォンのために行動していきます。
マスコミにより白日の下に晒せる犯罪被害者家族の苦悩が微細に描かれ、彼女を取り巻くすべての人々の愛に見守られながら進む再生の道に誰もが涙なしでは観られない感動作となっています。
