映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、園子温監督によるラップ・ミュージカル「TOKYO TRIBE」です。
園子温監督の作品を観ると、常にいい裏切りがあります。今回のTOKYOTRIBEは、そんな監督の最高の裏切りではないかと思います。
原作は東京を舞台にTRIBE(族)の間の抗争が描かれた漫画を基にできてます。暴走族の間の抗争よりは、かつてのドラマ「池袋ウエストゲートパーク」に近く、それを全編ラップのリリックにより構成すると言う斬新なアイデアによる世界初のラップミュージカルです。
舞台は近未来の東京、池袋を拠点にする鈴木亮平演じるメラと武蔵野の海とのある因縁が元で族同士の抗争に発展していく時間を描いています。
若手も含めこの作品にふさわしい豪華俳優陣で納得のキャスティング。TRIBEのリーダー格のメンバーに主人公の海の他にも日本人ラッパーが出演して演出も担当してます。これは、監督自身がシーンだけを作り、そのシーンにイメージに合わせたリリックを彼らに任せると言う方法で作られています。ただ、ヒップホップをあまり知らなかった園監督が間違いなく、その奥底に流れているムーブメントが一致するからこそ成立する手法だと思ってます。
今までに観たことのない、新しい世界が生まれたこの作品。本場アメリカに上映されたら、どんな反響があるか楽しみな作品だと思いました。