映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、チェイサー、哀しき獣のナ・ホンジン監督によるサスペンススリラー「哭声/コクソン」です。
今回の作品、カンヌ映画祭でも話題となり、事件の鍵を握る日本人を國村準が演じ、その骨太の演技が大きく評価され、韓国の青龍映画賞で助演男優賞を受賞。主人公の警察官には、クァク・ドゥオン、祈祷師には、ファン・ジョンミンが演じてます。
村に起こる猟奇連続殺人、その犯行はすべて狂人となった身内によるもの。いつしか、山奥に住む謎の日本人による仕業と噂が広まります。主人公の警察官の娘が事件に巻き込まれ狂人化。祈祷師による悪魔祓いを家族が依頼し、日本人が悪霊と確信し、ついに仲間と彼を仕留めようとします。主人公の警察官には、事件現場を目撃する女にチョン・ウヒが演じ、それぞれが、重要なカギを握るフィクサーとなって、観る者を混乱に渦に巻き込んでいます。
今までに味わったことがなく身の毛もよだつ恐怖が真正面から襲い来る狂気の世界。事件の真相が、現実の事象と不可思議な事象が交錯し犯人が二転三転し、最後まで事件の真相がつかめないまま複雑に絡み合うラストなど。ナ・ホンジン監督の新作は、サスペンススリラーの枠を超えて、ホラー映画とパニック映画を巧みに組み込んだ新種の作品のように思えました。