映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はツールドフランスで7冠に輝いたランス・アームストロングの実話に基づく作品「疑惑のチャンピオン」です。
ヨーロッパで絶大な人気を誇る自転車競技ツールドフランス。レース距離3300キロ、高低差200メートルの過酷なコースで7連覇を果たしたアメリカ人、ランス・アームストロング。デビュー後に重度のガンに冒されながら克服。再起後に連覇の偉業を果たした英雄がドーピングにより永久追放となった。その衝撃的な事実をこの作品で白日の下にさらした作品です。
監督はクイーンを手掛けたイギリス人監督スティーヴン・フリアーズ。2013年には「あなたを抱きしめる日まで」が印象的でしたが、今回の作品も実話に基づく点と自らが犯した罪に翻弄された主人公という点で共通項があり主人公の内なる姿が浮き彫りにしているように思います。
現在のスポーツ界において、ドーピングは最も深刻な問題となっていますが、ランスの犯した罪と栄光は、勝利への執念と共に自らの生きる証のように思えてくる。
病を克服し、苦しむ人々への希望の光となり英雄として生き続けなければならない、重い十字架が彼の背中にのしかかっていき、その十字架から解放される休息を望んだと感じました。