映画館で観れなかった作品をDVD観るシリーズ。今回は27歳でこの世を去った不世出の歌姫の真実をドキュメントした「AMY エイミー」です。
エイミー・ワインハウス。セカンドアルバムが1500万枚のセールスを記録。グラミー賞で5冠を達成した天才シンガー。彼女の歌声に魅了された音楽ファンは、近年彼女の歌声を超えるシンガーに出会ったことはないと思います。
事実、グラミーで6冠に輝いたアデルや今やトップアーティストなったレディガガもリスペクトする存在でした。もし彼女が行き急いでいなけらば、間違いなく現在もトップアーチストに君臨していたに違いないと思います。ただ、彼女はそれを望んでいなかったのも事実だと、この作品から伝わってきました。
ドラッグやアルコール依存、拒食や摂食障害に苦しみながらリハビリを繰り返しながらも、カムバック目前でこの世を去ったエイミー。数々のスキャンダルが彼女を虚像へと導き、音楽への情熱と愛に蓋をし彼女を追い込んでしまった事実を知ると、純粋な少女が思いもしない成功で人生を失ってしまったことを、ただただ残念に思います。
作品の終盤、彼女がもっともリスペクトしていたトニー・ベネット共演で、彼女に対する言葉が印象に残っています。
「彼女は生来、本物ジャズ歌手だ。ジャズ歌手は5万人の観衆の前では歌いたくないのさ」
彼女が、もし強い意志をもって(若き彼女には無理なことですが)好きな音楽のためだけに生きていたならば、音楽史に輝き続ける天才歌手の一人となっていたことは間違いないと思います
天国に逝った彼女は、自らが愛する人々のためだけに、その歌声を披露していることでしょう。
エイミーは永遠に。