日本でもファンが多い20世紀を代表する画家・シャガール。ユダヤ系ロシア人として生まれた彼は、第二次大戦下でアメリカに亡命。フランスに戻ったシャガールが絵画だけでなく陶器などのオブジェを手掛けるようになりました。
今回の展覧会は、シャガールが創作した陶器やオブジェ作品にスポットをあてた三次元の世界がテーマになっています。
ピカソと比べ、あまり知られていない立体作品は、絵画と違い多方向から観賞することができ、表現の広がりを感じます。その作品は、絵画で観られる男女の愛ある情景や聖書や神話に題材を向けた作品など多岐にわたり、その表現方法も異なります。またカラフルな絵画の世界と異なり、ブロンズや大理石などテラコッタなど素材の特徴を生かした表現に新鮮さを感じます。また制作の上で描かれた下絵も素描と言うよりは水彩画に近いです。
また、今回の絵画作品はAOKIホールディングスの所蔵作品を中心に国内所蔵の作品で構成されていますが、国内でのシャガール作品の質量のすばらしさを感じました。
壁面に飾られた絵画と会場内に配置された立体作品を交互に観賞しながら、シャガールの愛ある世界を楽しんでみてください。きっと今までと違うシャガールの世界を堪能できると思います。