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佐伯祐三 ―自画像としての風景展 東京ステーションギャラリ

 

 

佐伯祐三 自画像としての風景 | レポート | アイエム[インターネットミュージアム]

東京アートひとり旅での今回の展覧会レビューは東京ステーションギャラリー(4月15日から大阪中之島美術館)「佐伯祐三 ―自画像としての風景」です。

佐伯祐三は30才でパリで死んだ近代洋画家のスターして知られてますが、その画業は僅か10年余り戦争中にほとんどの作品を焼失し、現存する作品も100点余りと極めて少ない画家です。また、本格的な活動は2回のパリ遊学の4年余りとなっています。

今回の展覧会は、自画像としての風景を題し中之島美術館の作品を50点を中心に東京藝大時代の卒業作品やが学生時代の自画像から始まり、2度のパリ遊学時代の内外の風景作品に郵便配達夫やロシアの少女などの人物など彼の画業のすべてを網羅した展覧会です。

藤島武二に師事していた頃の印象派の影響漂う作品やパリ時代にブラマンクから「このアカデミックな!」と批判されたことで荒々しい筆さばきとデフォルメされたパリの建物など明らかにブラマンクの影響が色濃く残るパリの街角の風景画、ユトリロの影響を色濃く残す後年の風景作品など、独自の絵画世界を見出だそうと苦悩する姿がキャンバスの投影されいるように感じます。

しかしながら佐伯祐三が100年にも及び常に評価され続けているのは、著名な画家たちの影響を常に受けながらも、その向学心により佐伯スタイルとも言う絵画世界が確たるものとして存在しているからに違いないです。

偶然のタイミングで28歳にこの世を去ったエゴン・シーレの展覧会と本展との出会いを思うと、娘の死と共に妻にも看取られず一人孤独に死んでいった佐伯祐三、決して幸せな時間は多くなかったとは言え夭逝の画家の運命を背負い後世の人々に感動を与え続けていく存在であると感じます。


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