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帝室技芸員の仕事 清水三年坂美術館

高台寺南門通りから二年坂から三年坂に向かう通り沿いにある小さな美術館、清水三年坂美術館。京都を訪れる海外の観光客にファンも多く、テレビでも取り上げられたこともあり、最近注目されている美術館です。

幕末、明治の美術工芸品を収蔵する本館は、日本の名工による超絶技法の世界を眺めることができます。金工、蒔絵、彫刻、七宝焼、薩摩焼の器や茶道具、香道具、根付、印籠など、繊細な匠の技の名品が並び、絵画とはまた違う職人技の世界を楽しむことができます。幕末、明治の時期は、ちょうどパリ万博により海外に美術工芸品が紹介、輸出されました。

今回は、一階の常設展と二階には「帝室技芸員の仕事」の蒔絵編として、当時の最高峰の技術者として任命された、四人の限りの蒔絵師の作品が展示さています。その繊細で優美な匠の技には、気品と風格を感じます。

現在の日本においては、明治の職人による技は伝授されてはいても、個人的には当時の技を超える作品には巡りあうことがなくなりました。そうした点でも、こうした美術館の果たす使命は大きいと思います。歴史と伝統さらに革新を風土を持つ京都の地にあって、こうした明治の名工の技を観、その奥にある技を学びとり、いつか、こうした名工と肩を並べる未来人の誕生を心から願っています。


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