オーシャンズ11のスティーヴン・ソダーバーグ監督が仕掛ける奇想天外の現金強奪劇、映画「ローガン・ラッキー」を観賞
オーシャンズ3部作シリーズの監督が今回仕掛けるのは、何んともコミカルで今までにないアメリカンな作品。舞台はジョンデンバーのカントリーロードで有名なウエストバージニア。兄と弟、そして妹のローガン家族が、強盗のプロで服役中の男とその弟二人が手を組んで、全米最大のモーターカーイベントの売上を強奪するというもの。
ローガン家の兄ジミ―には、マジックマイクやホワイトハウスダウンなど、マッチョなイメージが強いチャニング・ティタム、弟ローガンには、今や引っ張りだこの個性派俳優、アダム・ドライヴァー、妹メリーには、プレスリーの孫娘でハリウッドの新星ライリー・キーオと何んともアメリカンな面々。そこにイギリス人のダニエル・クレイグが強盗のプロ、ジョーバング役で、ボンドのイメージを完全に覆すアウトローな風貌で登場します。
作品は、オーシャンズを彷彿とさせる手法で現金強奪を完成させるのですが、オーシャンズのスタイリッシュさとは真反対の舞台は初脚本となったレベッカ・ブラントが自らの家庭環境を背景に描かれており、ペンシルバニア、インディアナ、ケンタッキー州に囲まれた土地の特色がうまくかみ合って、コミカルに小気味よくスト―リーが展開します。そして呪われた家族のラッキーでハッピーな後の意味深な結末もおもしろく、最後の落ちまで、軽さの中に独特な情感があって楽しめる作品でした。