内外の巨匠作品を数多く所蔵するメナード美術館は、ほとんどの作品が当館の所蔵品で構成することができる日本有数の個人美術館です。
このような展示は、ひとつの作品から数多くの要素が生まれ、新しい出会いをひとつの作品から感じ取ることができる良さをもっています。
今回の展覧会は、春をテーマに構成され色やモチーフなど多種多様な春を観る人に届けてくれます。最初に目にするのは四曲一隻の大作。当美術館と親交の深い日本画家・田淵俊夫氏によるものでモノトーンで描かれた当美術館の玄関の前にピンク色の染まる桜の情景が画面いっぱいに配されています。
中に入れば、おなじみの作品ながら所々にピンク色の壁面が春を感じる演出に。ルノワールの読書する女やシャガールのすみれ色の花などが春をイメージさせ、前田青邨の高白梅、伊藤深水の春雪など日本画家の春を題材にした花や風景、ピンクや緑など色で春を感じる洋画家の熊谷守一や島田夫妻の作品、次の部屋には日本の伝統美で春を表現した掛軸や屏風、工芸作品が並びます。これほどまでに春を感じ、春に恋する展覧会はないと感じました。
また、今年の干支「馬」をテーマにした展示もあり内外の巨匠の馬の作品も魅力的です。
2月23日まで開催中の本展でひとあし早い春を感じてみてください。