9・11から家族再生のドラマを描いた映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を観ました。
9・11で父を亡くした息子が、生前二人で探した宝物のヒントとなるに合う錠前を探すストリーです。
息子の唯一の親友でもある父をなくし、喪失と絶望にさいなまれていた息子が鍵のヒントとなる「ブラック」と言う名前の人々に会うために、ニューヨーク中を歩きます。
ものすごく繊細で、ありえないほど臆病な息子オスカーが、様々な人々の出会い人間関係の恐怖と戦う姿をオスカー・ホーンが見事に演じきっています。特に彼の、吐き出すような長セリフは圧巻です。
今回の作品は、9・11から10年が過ぎ、残された遺族の心の傷にスポットをあて、残された家族の再生へのヒントとなる作品のように感じます。
少年の深い悲しみとその悲しみに寄り添う、母と父の両親。その家族が、静かに、時に、苦悶し激しく少年と向かい合う姿に感動を覚えました。
9・11から10年、そして3・11。この映画が、日本で今上映される意味は大きいと思います。少年の悲しみを、自分ならどう受け止めるか考えてみてはどうでしょうか。
映画の挿入歌U2の約束の地(邦題)が印象的で親子の目指すもののヒントにもなっている感じがする。