先日の土日にかけてBSで放映された「天海祐希パリと女...」新装なったオルセー美術館の魅力とパリと絵画にまつわるエピソードを絡めた魅力的な番組でした。
オルセー美術館と言えば、世界一の印象派コレクションをもつ人気の美術館ですが、展示室が、ブルーグレーの濃い壁面となったことで、印象派の作品が、とても観やすくなったと評判です。
今後の印象派の展覧会で、影響を与えることは間違いないと思います。
バブル景気で、企業がこぞって絵画を購入した頃に、日本人は印象派が好きと揶揄されたことがありました。
果たして日本人だけが、印象派好きなのでしょうか?モネやピサロ、シスレー、ドガなどで、後期のポスト印象派のゴッホやゴーギャン、セザンヌ、ルノワールと美術界において、人気の画家たちを多数輩出したのも印象派です。
印象派の画家たちは、世界中で愛されているのです。残念ながら、バブルの崩壊ともに企業の倒産が相次ぎ、日本にあった印象派の作品は、手を離れていきました。
結局、企業宣伝の道具となっただけで、印象派の作品のすばらしさを、歪められた結果となったのは残念です。
現在、日本にある印象派の時代を中心したコレクションは、美術に理解のある先人のパトロンによるものが大半です。
現代アートが、もてはやされる昨今、実は、美術展を支えているのは印象派を愛するアートファンのおかげです。
印象派の名前の由来は、当時の評論家が酷評し嘲笑の意味を込めて、影も形もない「印象」と言う蔑称で呼ばれたのです。美術は、常に時代の革新には批判的でした。逆にそれがエネルギーとなって新しいアートが誕生していきました。
実は、印象派を知ると言うことは、もっとも革新的なアートを知ると言うことにつながると、僕は確信します。