映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ダスティン・ホフマン主演のヒューマン作品「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」です。
物語は、複雑な家庭に育った問題児の少年ステットが、母の突然の死により、校長先生の勧めにより名門の合唱団に入学。ダスティン・ホフマン扮する厳格な指導者カーヴェルと出会い、ボーイソプラノのソロ歌手として成長していく姿が描かれています。
渋みを増し、円熟の境地に達したダスティン・ホフマンの名演と声変わりの為にわずかな期間しか出せないボーイ・ソプラノの奇跡の歌声との共演は、美しくも感動的。クラシックの合唱曲やラストのハレルヤ、そして、練習中の歌われる日本人には誰もが知る「ほたるこい」など、その歌声を聞いているだけで、心が洗われ、僕なんか自然に涙が流れるほど。
少年達を支える、合唱団に導く女子校長には、あの名女優デブラ・ウインガー、合唱団の校長にはミザリーのキャシー・ベイツが、主人公の少年を優しく見守る女性として共演。脇を固める名優たちも、この作品に融和しハーモニーを奏でています。
ヒューマン作品は、コメディ系も含めてかなりの頻度で観ている僕が、劇場に行きそびれたことを今回のDVDで後悔した作品です。神から与えられた束の間の声が、きっと心に深く刻まれ忘れないものとなるに違いありません。