東京美術展巡り。今回は、東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館」展です。
フェルメールの中で最も、人気の高い「真珠の耳飾の少女」を所蔵するオランダの マウリッツハイス美術館
今回の展示でも、フェルメールブルーの青いターバンの真珠の耳飾りの少女に多くの人たちが集まりました。ご他聞にもれず、僕も三度も彼女の元に戻り、目に焼き付けていました。
なぜ、彼女が人々を魅了するのか、知人の女性は、彼女に眉がないことだとも。実際には、かすかに眉のラインが感じます。眉がないことで、斜めの姿勢から向けられた瞳が強く印象付けられています。
僕が、実際に観て感じたのは、大きな目と鼻に唇のバランスが惹かれます。目は口ほどにものを言うのことわざとは違い、目と唇が同時に観るものに語りかけてくる印象を感じます。
そして、真珠がこの絵の重要なキーワードだと思うのです。大きな瞳の中に映る真珠のような輝き。過去の修復によって塗り消され、1994年時の修復で甦った口元の小さな真珠のような輝き。これら三つの輝きが、耳元の大きな真珠の輝きとの一体感を持って魅了されました。
ただ、観覧の際には、彼女だけに目を奪われることなく、レンブラント晩年の自画像を含む6作品やもうひとつのフェルメール作品「「ディアンナとニンフたち」に、ヤン・ブリューゲルやヤン・ステーンなど17世紀の黄金時代を彩る名品が多数展示されていますので、こちらにもご注目を。
最終週の11日から17日は、20時までの開館だそうです。フェルメール、レンブラントファンなら、是非この機会をお見逃しなく。
次回は、もうひとつの真珠の耳飾の少女とルネサンス、ロココの世界に彩られた「ベルリン国立美術館」展をご紹介します。