岡本太郎氏の「明日の神話」に原発事故を想像させるイタズラが張られる事件が発生した。
撤去までの映像を見ると、壁画の右下の余白部分にベニヤ板で張られた、巧妙に作られている。
福島の発電所の破壊された建屋と黒煙が、岡本太郎氏の作風に似せて描かれていた。
明日の神話は、岡本太郎の太陽の塔と同時期に作成され、メキシコのホテルに飾られる予定が、ホテルの倒産で行方不明に。
その後、30年ぶりに発見され、岡本敏子氏や、関係者の尽力で1年を掛けて修復。現在の渋谷駅に高級保存されたものです。
明日の神話は、第五福竜丸が、アメリカの水爆実験により被爆。水爆の炸裂の瞬間をテーマにしたものです。
犯人は、おそらく岡本氏の作品の意図を知った上での犯行と思うのですが、自己表現の手段として、他者の芸術作品を冒涜する行為はアートに関わる人間として許しがたいことです。
まして、現在の状況を考えると、この「明日の神話」はその作品自体が人類への啓示であり、人間の誇りと力強さを表現した、明日へのメッセージです。
その作品に陳腐な発想と行動で作為的に汚した行為は、絶対に許されることではなく、岡本氏や氏の志を受け継いだ人々に謝罪しなけらばならないと思います。犯人は、自らの罪を深く反省して自首してもらいたいものです。
追記:今回の犯行が現代アート集団チン↑ポムとわかりました。今回の行為は、作品自体に自らの作品を継ぎ足したことだけで、岡本太郎記念館側も、この件に反応されないことから、犯罪行為ではないということです。
個人的には、彼らの芸術行為には、一部不快な表現があり、まり好みませんが今回の行為に対したは僕の認識不足もあり、過度に反応しました。表現の自由においては認めるところもあり、犯罪行為の点は訂正してお詫びします。