ロバート・レッドフォード俳優引退作品で実話に基づく犯罪ドラマ「さらば愛しきアウトロー」を観賞
先日も、アラン・ドロンが俳優引退を発表しましたが、ハリウッドの二枚目俳優、ロバート・レッドフォードが引退作として選んだのが本作。82歳になるレッドフォードが、16回の脱獄と銀行強盗を繰り返し誰一人傷つけなかった実在の人物フォレスト・タッカーを演じています。明日に向かって撃てやスティングなど、レッドフォードの人気を不動にした犯罪ドラマから50年。最後にこの作品で締めくくるとは、やっぱりこの人の生き様は、カッコよすぎます。
物語は、1980年の初頭のアメリカで類似の銀行強盗が発生。犯人は老紳士でポケットからチラリと拳銃を見せ微笑みながら傷つけることなく犯行。被害者である銀行関係者からも、彼を悪く言う者はいない。彼の名はフォレスト・タッカー。事件を担当したハント刑事は、二人の仲間と共にフォレストの犯行と断定、彼らを黄昏ギャングとしてメディアで話題となります。名前が知られるようになった彼らは、でかいヤマを計画する。
レッドフォードの引退作に華を添えるのは、犯行途中で出会ったフォレストに好意を抱く未亡人役ジュエルを演じるあのキャリーのシシー・スペイクス。二人の円熟の恋愛模様がサイドストーリーのように描かれてます。スペイクスにのナチュラルでキュートなおば様も素敵です。刑事役には、マンチェスターバイザシーの演技も記憶に新しいケイシー・アフレック。フォレストの不思議な魅力に惹かれ、最後の仕事して意欲を取り戻す刑事役を好演、黄昏ギャングの相棒たちには、数々の名作に顔を出す黒人バイプレイヤーのダニー・グローヴァーとシンガーソングライターとしても知られるトム・ウェイツが脇を固めてます。
今回の作品、まさにロバート・レッドフォードのためにある作品として、どこを切り取ってもレッドフォードの俳優人生を物語るような演出が施されています。レッドフォードファンには、かつての作品のワンシーンを組み合わせられてます。
僕にとっては、この作品が最後と知ると、とても愛おしく惜しまれます。それほどにすべてがレッドフォードです。82歳の愛おしき銀行強盗が、あなたの心を盗みます。
サウンドトラックの曲も素敵です。