トニー賞をはじめ、グラミー賞、エミー賞にも輝いたミュージカルの映画化作品「ディア・エヴァン・ハンセン」を鑑賞しました。
こちらも前の投稿で紹介した「少年の君」と同じように、いじめをテーマにした作品です。まったく異なる視点の映画ですが何といじめをテーマにしながらミュージカルに仕上げてしまったことが驚きでした。
タイトルにあるように主人公は、学校生活になじめない内気な高校生エヴァン・ハンセン。彼は心の病を抱えていてジュリアン・ムーア演じるシングルマザーと暮らしています。そのリハビリのために自分にあてた手紙が元で大きな事件に発展していきます。
その発端となる事件が、薬物中毒でリハビリから学校復帰したコナー。彼もまた学校になじめず独りぼっちの高校生活を送っていたのですが、ある日ハンセンが書いた手紙を奪っった後自殺してしまいます。その後家族が手紙の存在を知り、孤独のコーナーにハンセンと言う親友がいたと感じ違いしてしまいます。
手紙をきっかけに、学校中がコナーを追悼する運動へと発展してしまいハンセンは嘘を重ねてしまいます。ある日彼の手紙が世の中に知れることとなり、ハンセンのついた嘘が思いもしない方へと進んでいってしまいます。
重いテーマを軽やかな歌声で綴られる作品は、違和感を持つ人も多いと思いますが、この新しいスタイルは思わぬ形で成功したと思います。それは、今の時代のSNSの普及と繋がっています。実はいじめの中で、もっとも陰湿で加害者が痛みを感じない「無視」という行為が関わっているのですが、ミュージカル手法によってうまく入ってきます。
主人公ハンセンが犯した罪と罰とそして勇気を感じとってみてください。