先般、ご案内しました、東海地区で開催される二つの大規模なシャガール展に出かけました。
先ずは、松坂屋で開催された「マルク・シャガール」展をご紹介します。
今回の展覧会は、シャガールがもっとも信頼を寄せたタピスリー作家イヴェット・コキールによるシャガールタピスリー作品とその元になった作品により構成されたユニークな展覧会で、16点のタピスリー作品と紳士服のアオキで知られるAOKIホールディングスの所有する油彩画9点を含む油彩画やリトグラフ50点が展示さています。
フランスの織物、ゴブランの流れを汲むイヴェット作品は、色彩豊かなシャガールの世界を大判のタピスリーの中で鮮やかに表現され、油彩画のような筆致を感じさせるもので、シャガールの油彩画やリトグラフと異なる輝きを放っています。
イヴェット自身が述べている、原画に基づいて作品でありながら、忠実に再現するのではなく、シャガールのタピピスリー作品としてのオリジナリティを投影して、工芸作品の枠を超えた芸術性を感じます。
今回のようなシャガール展は、従来のシャガール展とは異なる新たな絵画世界が感じる展覧会でした。
次回は、岐阜県美術館で開催中のもうひとつのシャガール展を紹介します。